第7話 冒険者パーティ
「よー、二人ともー!テイマー見つけたぜー!」
といったランガさんに
「探してたのは斥候じゃなかったの?」
と、気難しそうな風貌の魔法使いのっぽいとんがり帽子と身の丈ほどの杖を持った少女が眼鏡の位置を気にするような素振りをしながら言った。
「まぁまぁ、『ちゃんとしたテイマー』なら斥候の役割もちゃんと果たせるんだしいいじゃない。で、ランガ。その子はどうなの?」
僧侶らしき女性のそのセリフに俺は萎縮してしまう。こちとら冒険者になって二日目のド新人だ。
「新人だ」
と、ランガさんは堂々と言った。
「じゃあ!」
と、魔法使いの少女は怒鳴り気味に声をだす。
「けど見込みはある。それに、新人を育てんのもベテランの仕事だからな!」
「………」
ランガさんのそのセリフに魔法使い風の少女は押し黙った。
「ふぅ、ランガの世話焼きっぷりも大概よね。まぁいいわ、貴方、名前は?」
と、僧侶らしき女性は俺にそう問いかけてくる。
「タクミです!職業はテイマー、契約してるモンスターはランドランナーのジャックです!」
と、俺は一礼してからジャックのカードを三人に見せた。
「へぇー、そいつはすげぇ、ランドランナーって言えばこの近くじゃドルカのおっさんのとこでしか契約できないはず……譲ってもらったのか?」
と、ランガさんが俺に質問してきた。
「はい、師匠……ドルカさんのところで数ヶ月働かせてもらってて。そんで冒険者になる祝いっていってジャックを譲ってくれたんです」
「へ〜、あのドルカおじさんがねぇ……よっぽど貴方のこと気に入ってたのね。あの人ってランドランナー売る相手相当選ぶって有名なのよ?」
と、僧侶風の女性が言った。
「そうなんですか?」
「そりゃあ……」
「まったまった!ドルカのおっさんの話は後でいいだろ、今は自己紹介だ!ランドランナーが契約モンスターなら能力は十分だろ?あとは偵察用のモンスターと契約してもらえればほとんど即戦力だ。二人ともそれでいいだろ?」
「そうね。私はそれで文句ないわ。私の名前はテュース。僧侶よ、よろしくね。」
「……魔法使い、ミラです。今回はランガさんの顔を立てますが足を引っ張るようなら許しませんよ」
テュースさんとミラさんか。覚えた。
「俺とテュースは前にテイマーと組んでたことがある。そいつはもうこの街にはいないから詳しいことは無理だが、テイマーの基本的なパーティでの仕事くらいは教えてやれる。どうだ?ウチのパーティで一緒に仕事しないか?報酬は内容関わらずきっちり4等分。どうだ?悪い話じゃないと思うが」
むしろ俺にとってはちょっといいのか?ってぐらいの好条件だ。
俺はほぼ即答でランガさんのパーティに加入することを決めた。
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