第6話 情報収集
街に戻った俺は、早速ギルドで依頼達成の報告をし、報酬を受け取る。
そして、受付のお姉さんにこの街に図書館がないか聞いてみる。
すると、流石にそこそこの都市の為か、ちゃんとそれらしい施設はあるらしい。
俺はギルドを出て、すぐに図書館へ向かう。
図書館は日本とは違い有料だったが、まぁ入るのを躊躇するような金額ではなかった為、とっとと払って目的の書物を探す。
探すのは『冒険者の心得』がわかる本と、『この近くのモンスターの情報』だ。
結論から言うと、冒険者の心得はさっぱりわからなかった。
有名な冒険者の自伝やら伝説やらはあるが、今俺が求めているのは、言ってみれば初心者用チュートリアルのような本で、大成した人間の自慢話ではない。
この周辺のモンスターについてもあまり芳しい成果は得られなかった。
この近くのモンスターの種類についてはある程度わかったが、それがどんなモンスターなのかはざっくりとしか分からず、例えばゴブリンを効率よく発見する方法があるなどは書いている本はなかった。
あっても、専門的すぎて俺には分からないような内容の本しかなかった。
俺は諦めて、図書館を出た。
「とりあえず、この周辺のモンスターは『スライム』『トレント』『ブラッククロウ』『ナイトオウル』『ゴブリン』でもって、『オーガ』『キラーベア』危険度は『オーガ』と『キラーベア』が頭ひとつ抜けてるって感じか……。その辺には遭遇しないように気をつけないとな」
俺はとりあえず得られた情報をあえて口に出してまとめる。
そして図書館を出てもう一度冒険者ギルドにもどる。
ギルドの施設内には依頼のボードの他に、パーティメンバー募集のボードがあった。
「テイマー、テイマー、テイマー、テイマー」
俺は、テイマー募集の張り紙を探してボートに目を凝らす。
「おい兄ちゃん、さっきっからテイマーテイマーいってっけど、もしかしてアンタテイマーか?」
と、後ろから声をかけられた。
振り向くと、そこそこイケメンな風貌の赤い髪の青年が立っていた。
「あ、え、はい。一応……」
「なんだはっきりしねぇなぁ、ま、いいや。パーティに入りたいならうちなんてどうだ?ちょうどもう一人欲しかったところなんだよ。テイマーならバランス的にもちょうどいいしな!」
赤髪の男はニカッと笑ってそう言った。
「そっ……すか。俺、タクミって言います。貴方は……」
と、俺はとりあえず自己紹介する。
「おっと自己紹介がまだだったな。自分から名乗るとはいい心掛けだ。俺の名はランガ。見ての通り戦士やってる。ウチのパーティは他に魔法使いと僧侶がいるんだが……どうだ?顔合わせだけでもしてかねぇか?」
と、言われ、俺は渡に船だと思い、とりあえずランガさんについていって、他のメンバーとの顔合わせをすることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます