最後はみんなで大泣きした(中3)


 ~~~~~~~~~~~~~


 ドワーフの人形は、

金色こんじき六翼ろくよく』に恐怖を与えるためだけでなく、

 彼らの目から私を容疑から外す隠れみのの狙いもあった。


 人形に付けた傷の意味に感づいた彼らは、

 これがニコルにたんを発するものだと考えだした。


 これで彼らが、私を疑う事はなくなった。


 彼らの中では、

 私はニコルの事を知らない部外者なのだから・・・。



 ――次のギースの時は、なかなか苦労した。


 彼は優秀な斥候スカウトだ。


 そのギースの探知能力に感づかれないように、

 従属化した死霊術師ネクロマンサーが率いるアンデッドの群れまで彼らを接近させるのは、至難の業だった。


 だが私は、それ以外の道にあらゆる従属化テイムした魔物を配置し、

 ギースに気配を感知させた。


 当然、無用の戦闘を避けたい彼らは、

 魔物の気配がしない道だけを選んで進み続けた。


 そして無事、アンデッドの群れの前へと到着したのだ。


 ・・・他の魔物と違い、

 既に死んでいるアンデッドの類は、

 気配がないため冒険者に感知されにくい。


 その群れの数に、

 明らかに勝ち目などないと判断した『金色の六翼』は、

 すぐさまきびすを返し逃走した。


 この時、斥候スカウトとして先行していたギースは、

 逆に最後尾となってしまうのだ。


 他のメンバーは誰も振り返らない。


 私がギースを殺したのはこの時だ。


 私など眼中にないギースは、

 すれ違いざま無防備に私の刃を受けた。


 そのギースの死体をアイテムボックスに収納し、

 私はそのまま全速力で、アンデッドの群れと共に他のメンバーを追いかけた。


 この時既に、かなり先を行っていた彼らに追いつく・・・。

 これが一番大変だった。


 だが、遅れて合流したのでは、

 後でさすがに怪しまれる・・・。


 私は、途中でスタミナポーションを飲みながら、

 呼吸が出なくなるまで走った。


 やがて私は、ライラを追い越し、

 モリアードにも追いつく事が出来た。


 アンデッドの群れは、

 すぐ手前で追うのを止めさせた。



 ――アンデッドの姿がなくなったところで、

 モリアードはその場に倒れこんだ。


 じきに息も絶え絶えなライラもやって来た。


 私も、今すぐ倒れたい状態だったが、

 無理やり身体を引きずって、先に行ったであろうウーゴの元へ向かった。


 少し進んだところで、

 暗闇の奥の壁に別の小道を発見した私は、

 そこにギースの死体を置くことにした。


 体中に傷をつけてから、今までうずくまっていたような格好をさせた。


 アンデッドの群れにやられて、ここに隠れていたがやがて力尽きた・・・、

 そう見せかけるために・・・。


 そのまま私は、

 急いでウーゴに合流した。


 後から来たモリアード達も、

 私に不審の目を向ける事はなかった。



 ――やがて三人は、誰もギースを見ていない状況に気づき、

 途中まで引き返して探してみる事になった。


 ギースを隠した壁の道に差し掛かったところで、

 私は何気ない動作で、カンテラをそちらに向けた。


 すると狙い通り彼らは気づき、

 その先でギースの死体を発見した・・・。


 思惑通り、

 彼らはギースの手を調べた。


 当然そこには、私が握らせたの人形があった。


 焦げ跡に加え、

 新たに首に傷を付けたドワーフの人形が・・・。


 

 ――そこまで来て、

 彼らはようやく一つの結論に至った。


『自分達は今、誰かに狙われている』。

 

 そして、

『その人物は

 と・・・。



【つづく】


 ━━━━━━━━━━━━


 『君』は読み進める。


 一息ついて考察する事もなく、先を読み進める。


 ――だが、それでも『君』は、

 次の回に行く前に画面を下にスクロールして、

『応援』や『コメント』を入れるのを決して忘れない……。
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る