最後はみんなで大泣きした(中2)


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 私が何より気を付けたのは、

 あらゆるものを収納するアイテムボックスの秘匿ひとくだった。


 復讐を計画したその時から、

 私は自分が、アイテムボックスの所有者という事を、

 周りの誰にも知られないよう、細心の注意を払ってきた。


金色こんじき六翼ろくよく』がそれを知ったなら、

 間違いなく、私を亡きものにしてでも、この希少品レアアイテムを手に入れようとしただろう。


 だから、私は冒険者になってからこれまで、必死にその存在を隠してきた。


 私の復讐を実行するには、

 このアイテムボックスは絶対に必要なものだったからだ。


 そう、その中に、

 ノックを殺すための矢も、死んだ彼から奪った剣も、

 すべてこの中に収納していたのだ・・・。



 ――ノックが死に、その手からドワーフの人形を見つけると、

 四人は不安げな顔になった。


 ここで引き返されてはまずいが、

 私はそれほど心配していなかった。


 案の定、彼らの半分以上が、

『依頼達成が速いほど報酬が上がる』という餌に釣られて、

 先に進むほうに気持ちが傾いていた。


 先に進むか、引き返すか、

 リーダーのウーゴが多数決を提案した。


 結果、引き返す方に手を上げたのはライラだけで、

 先に進むほうに上げた。


 

 ――先に進むことが決まった。


 この時、私は彼らを近道へと案内した。


 凹凸の激しいその道の歩きにくさに、

 文句を言いだす者もいたが、


「今日一日で依頼を終わらせるためには、

 出来るだけ早く進まないと・・・」

 そう言って、私は彼らを進ませた。


 狙い通り彼らは疲弊し、

 階段近くの安全地帯に着くと、皆が私に水を要求してきた。


 この時私は、

 リリアンに渡した水筒に一服もっていた。


 ノックに使ったような毒とは違う、

 意識を朦朧もうろうとさせる薬だった。


 皆が階段を降りていった後、

 一人残ったリリアンを殴り殺すのは簡単だった。


 私はアイテムボックスにリリアンの死体を収納すると、

 彼らに遅れて階段を降り始め、

 その途中で死体を取り出し置いた。


 まるで階段を転げ落ちたような姿勢にして・・・。



 ――私はすぐに、

 先を降りる彼らに合流し、

 一緒に下へ着いた。


 しばらくして、彼らはリリアンが来ないことが気になり、

 今降りてきた階段を引き返す事にした。


 彼らはリリアンの死体を発見し、

 状況から転げ落ちて頭を打ったと判断した。


 その手から、私が握らせたの人形を発見すると、

 さすがに皆の動揺は大きくなった。


 そして、

 ドワーフについた焦げ跡の意味に気づいたライラがその事を口にすると、

 彼らの顔に恐怖の色が浮かんだ。



 ――そう、

 これこそが、私の計画の真の目的だったのだ。


 ただ彼らを殺すだけではたらない・・・。


 彼らにはっきりと、私の兄を殺した罪を思い出させ、

 その罪ゆえに今度は自分達が殺されるのだという・・・、

 そんな死の恐怖を存分に味合わせてから、

 ゆっくりと一人ずつ、地獄へと送ってやるのだ・・・!



【つづく】


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 『君』は読み進める。


 今はただ、ひたすら先を読み進める。


 ――それでも次の回に行く前に画面を下にスクロールして、

『応援』や『コメント』を入れるのを忘れることなく……。




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