一人がうしろから突き飛ばされ五人になった


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 一年前、ダンジョンの下層でドラゴンを倒したとされている冒険者パーティー、

金色こんじき六翼ろくよく』。


 剣士のウーゴ、

 回復術師ヒーラーのライラ、

 斥候スカウトのギース、

 魔術師のリリアン、

 支援術師のモリアード、

 そして新入りのノック。

 コロコロと渡した飴を舐めているのは、依頼行動前の彼の習慣だ。


 以上が今のメンバーだ。


 依頼を受けた六人は、

 ダンジョンを奥へ奥へと進んでいく。


「周りに警戒しろよ。

 魔物の不意打ちが来るかもしれないからな」

 リーダーのウーゴは慎重だ。


「一人がうしろから突き飛ばされ・・・ってやつですね」

 ノックのその言葉に、ギースとリリアンが首をかしげた。


「は?何だそりゃ?」


「知らないんですか、ギースさん?

 ほら、ギルドに飾られている『六人のドワーフ』って童謡ですよ」


「ああ、そういえば何かそんなのがあったな」


「あれ実は、冒険者への注意喚起に飾られているらしいですよ。

 ダンジョンに潜る際はこういう事に注意しろ、っていうね」


「ふ~ん、それってどんな歌詞なの?」

 と、リリアンも聞いてくる。


「え?

 いや、俺もよく憶えてはいなくて・・・」


「『六人のドワーフが洞窟にもぐった

 一人がうしろから突き飛ばされ五人になった』」

 答えたのはライラだ。


「最初の一文は、確かこんな歌詞でした。

『ダンジョンでは不意打ちに気を付けろ』、

 そういう意味にとれるかと・・・」


「へえ・・・」

 ライラの説明に、いつの間にか全員が興味を覚えてきたようだ。


「それにしても、よくあんな詩を覚えていたねライラ」

 と、感心するモリアード。


「あ、いえ・・・、

 子供の頃よく歌った童謡なので」


「で、続きはどんな歌詞なんだい?」


「えっと・・・確か、次の一文は・・・」


 その時だった。


「ぐっ・・・」

 といううめき声と共に、

 ノックがその場に倒れた。


「え、ちょっとノック・・・」

 どうしたのかと近づくリリアン。


「ゴブリンだ!」

 その一言で、皆が臨戦態勢に入る!


 リリアンも指さす方向に杖を構える。


 ゴブリンの奇襲だ!


 数は全部で十三匹・・・、

 各々、こん棒や短剣、弓矢などで武装している。


 戦いはたちまち乱戦となった。


 ノックの事を構う余裕はない。


 ――だが、さすがにベテランパーティーの『金色の六翼』。


 ノック以外の五人で、大した傷を負うこともなくゴブリン達を倒した。


 戦いが終わって気が抜けたのか、


「は~、ビックリした~。

 死角からいきなり襲ってくるんだもの」


「これだからゴブリンってのは好きになれねえ。

 弱いくせにずる賢くてよ」

 と、その場に座り込むリリアンとギース。


「一人がうしろから突き飛ばされ・・・か。

 やれやれ・・・、ノックの言った通りになったね」

 と、モリアードも軽口をたたくが・・・。


「ノック・・・?」


「そうだ、ノックは無事か?」


 彼の言葉に、いち早く反応したのはウーゴとライラだ。


 急いで倒れているノックに駆け寄り、

 カンテラをかざす。


「どうだ、ノックの様子は?」


「ちょっとライラ、ノックは大丈夫?」


 他の三人も近づいていく。


 だが、ライラの返事はない。


 そして、その身体は小刻みに震えている。


 答えたのはウーゴだった。


「ノックは・・・死んでいる・・・」


 その言葉に、三人は立ち尽くした。


 うつ伏せに倒れているノックの右足・・・、

 そのふくらはぎには一本の矢が刺さっている。


 もはや息がないのは明らかだった。


 五人はそんなノックの死体を取り囲んだまま、

 驚愕している。


「さっきノックが倒れたのは、この矢が当たって・・・?」


「矢に毒が?

 あいつら、武器に毒を塗っていたの?」


 その言葉に、パーティーはさらに混乱した。


「ライラ!

 早くノックに解毒の魔法を!」


「駄目です・・・、分かるでしょう?

 ノックさんはもう・・・」


「お、俺も早く!

 あいつらの短剣、かすっちまったよ!」


「落ち着いて!

 大丈夫ですから!

 毒を受けたなら、もう効果が出ているはずでしょう!」


「そんなの分からないじゃない!

 毒消しでもいいから早く出して!」


 混乱はなかなかおさまらなかった。


 最終的に、ライラの魔力の半分を使うこととなり、

 アイテムの毒消しは全て消費された。


 今度は誰しも無言になっている。


「あの、これ・・・」

 と、口を開いたにはライラだ。


「どうしたライラ?」


「ノックさんの手・・・、何か握っているみたいで・・・」

 ライラがそう言うと、皆がノックの手に注目した。


 カンテラをかざしながら、硬直しかけているノックの手を開く。


 それは小さな、ドワーフの人形だった。


【つづく】



 _________________________


『君』は読み進める……。


(やはり、どう考えてもこれは、容疑者が全員死ぬあのミステリーのパク……、

 もとい、影響を多分に受けた作品だな……。


 だが、なかなかの緊迫感……。


 サスペンスというのはこうでなくては。


 作者に国語力が足りないのか、

 多少文章の現在形・過去形の不適切使用が気になるが……。)

 

 さて、

 このまま画面をスクロールして、

『応援ボタン』や『コメント』で評価をして、と。


 プロの作品に比べれば粗さが目立つが、

 まあ、読んだ以上それくらいはしてやろう……)















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