六人のドワーフが洞窟にもぐった
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『六人のドワーフが洞窟にもぐった
一人がうしろから突き飛ばされ五人になった
五人のドワーフが奥へと進んだ
一人が転んで四人になった
四人のドワーフが道に迷った
一人がはぐれて三人になった
三人のドワーフがお酒を飲みつくした
一人がカラカラに乾いて二人になった
二人のドワーフがケンカを始めた
一人が金づちで叩かれ一人になった
一人のドワーフのたいまつが消えた
辺りは真っ暗になり
そしてパーティーは全滅した』
――冒険者ギルドに飾られた
とある著名な吟遊詩人が歌った童謡の歌詞である。
子供のために描いたであろうソレが、
今ではギルドで使われているのだ。
ダンジョンに潜る冒険者たちへの警告として・・・。
実際、最後の『そしてパーティーは全滅した』という歌詞も、
元は童謡らしく『最後はみんなで大泣きした』なのだそうだ。
――だが、今やその詩に目を止める冒険者はほとんどいない。
今、カウンターで受付嬢の説明を聞いている六人のパーティーも・・・。
「俺たちに指名依頼が来ている?」
六人のリーダー、剣士のウーゴが聞き返す。
「はい、ぜひあなたがた『
領主様を代理依頼人として、ある
受付嬢のその説明に、六人は少し驚いているようだ。
「
一体何者なのでしょう?」
と、いぶかしんでいるのはパーティーの回復役、
「申し訳ありません。
そこは守秘義務により、わたしの口からは・・・。
ただ、引き受けてくださるなら前金として金貨十枚、
成功したあかつきにはその十倍、金貨百枚がお支払いされます」
「金貨百枚!?」
「ちょっとした屋敷が買える金額じゃないの!」
と、同時に叫んだのは、
「・・・依頼内容は、ダンジョン下層に住むミノタウロスの
と、確認するウーゴ。
「はい、B級モンスターであるミノタウロスの凶暴さは、わたし達職員も重々承知しております。
ですが、一年前さらに下層に棲むドラゴンを討伐されたギルドの英雄、
『金色の六翼』なら十分可能ではないか、と先方も期待されているそうです」
受付嬢のその言葉に、六人は考え込んだ。
カウンターから離れ、
小声で相談を始めている。
「どうする?
確かに報酬は魅力的だが・・・」
「だが、相手はミノタウロスだぜ。
俺たちでも勝てるかどうか・・・」
「何言ってんですか。
皆さん、ドラゴンを倒したんでしょう?
だったらミノタウロスくらい楽勝じゃないですか」
と、ひとり気楽な発言をしているのは新入りのノックだ。
「いえ、あの時はニコルが・・・」
「ライラ!」
ライラの言葉を、ウーゴが慌てて止める。
「ニコル・・・って確か、俺が入る前に『金色の六翼』にいた人ですよね。
その人がどうかしたんですか?」
と、質問するノックに、
「あ、いや・・・、あの時はニコルがドラゴンにやられてしまったから・・・、
だから今回も、誰かやられたりしないかと心配で・・・」
と、説明するウーゴ。
「心配性だなあウーゴさんは。
大丈夫ですよ。
ミノタウロスなんて、A級モンスターのドラゴンに比べれば屁みたいなものだ。
そのニコルって人、確か
だったら、やられるのも当然じゃないですか、ねえ?」
と、相槌を求めてくるノック。
それを見ていた他のメンバーも、前のめりになってきたようだ。
そして、
「よし、この依頼を受けよう!」
という、ウーゴの言葉が最終的な決断となった。
――三日後、彼ら『金色の六翼』はダンジョンに潜った。
【つづく】
_________________________
『君』は読み進める……。
(何かこんなミステリー、どこかで見た事あるぞ……。
ていうかこれって……、完全に某古典ミステリーのソレじゃ……。
いやいや、だからと言ってパクリだとか簡単に批判するのは、浅い人間のする事だ。
『芸術は模倣から始まる』と、どこかの芸術家も言っていたじゃないか。
大事なのは、そこから自分なりの世界を創りだすこと……)
不調をおして読んだ作品が駄作などとは、絶対に思いたくない『君』は必死に擁護の理屈を心の中で並べる……。
(とりあえず、
このまま画面をスクロールして、
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『応援ボタン』や『コメント』で評価をしてやろう。
不調でも、眠くても、期限が悪くても、
読んだ以上、それはちゃんとしなければな……)
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