わたくし、本領発揮ですわ!!

 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 されたお馬さんが頑張ってくれたおかげで、

 半日も使わずにクソ王国へと到着しました。


 道中も遠目で、押し寄せてくる魔物の群れを見かけましたわ・・・。


「シーケン様、アントニーお兄様、

 急ぎましょう!」


「ああ、まかせておけ!」


「我が妹フローレス・・・、

 お前のために、万の魔物の首を並べてみせよう・・・!」


 わたくしの『力』でされたお二人・・・、

 本当に頼もしいですわ!


 クソ王族よりもまずは国民を助けなければと、王都に入ってみたのですが・・・、


「――あら?」


 何故か街では、魔物っ子一匹見かけませんわ。


 ですが、国民の皆さんが何か騒がれていますわね。


「おい、聞いたか?

 王城の話・・・」


「ああ、魔物の群れが押し寄せて来たって・・・」


「何で城だけが襲われているんだ?」


「さあ・・・、誰かが城に魔物をおびき寄せた・・・とか」


「おいおい、城内に『魔王』でも現れたってのか?」


 ――そんな会話が、王都中で繰り広げられていますわ。


「お城だけが標的に・・・」

 彼らの話を聞きながら、

 わたくしピンときましたわ。


「これはきっと、王族に相当な恨みを持つ者のしわざですわね。

 つまり、黒幕はヒルルではありませんわ」


「あのクソ女の背後に何者かがいる、と?」

 お兄様の問いに、わたくしはうなずきました。


「ひょっとしたらフローレス、

 君の『結界』を破ったのも、本当はヒルルという娘ではなく・・・」


「ええ、シーケン様。

 その黒幕の可能性が高いですわね」


 わたくし達は、王城へと急ぎました。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 王城は惨憺さんたんたる有り様でした。


 ゴブリン、オーク、魔狼にオーガと・・・、

 視界に入るだけでも、軽く三桁は確認できますわ。


 既に城壁も壊され、四方から魔物たちの群れが、城内へと進入しようという状況・・・。


 勇敢に立ち向かっているのは、一部の騎士の方々だけのようですわね。


「騎士の誇りにかけて、ここから先は一歩も通さん!」


「おおおっ!!」」」」」」


 彼らは必死で正門を守っておりますわ。


 ですが当然、他の入り口からは城内へ進入し放題というわけで・・・。


 あらまあ・・・、

 城内からクソ重鎮どもの悲鳴が聴こえてまいりますわ。


「うぎゃあああっ!!!!」


「あ、待って・・・!

 置いてかないでくださいよおお!!」


「うるさい!

 お前、犠牲になれえっ!!」


「ふざけんな、このクソジジイ!

 おい皆!こいつをオトリにしてやれ!!」


「な、何をする貴様らーっ!!!!」



 ・・・にぎやかで何よりですわね。


「正門の騎士様方を優先しましょう・・・」


「ああ、まかせろ!」

 言うが早いか、

 剣を抜いたアントニーお兄様は、正門の群れに斬りかかっていきましたわ。


 あっという間に十匹近いオークを倒し、

 騎士様方の前へと現れたお兄様!


「お前は・・・アントニー!」


「お久しぶりです、団長。先輩の皆さんも。

 及ばずながら、このアントニーもご助力いたします!」


「おお、よく来てくれた!」


「強くなったな!

 お前が来てくれりゃ百人力だ!!」


 どうやら、門を守っていた騎士の皆さんは、お兄様の同僚だったようですわね。


 それは勇敢なはずですわ。

 ・・・城内でわめいているクソ共と違って。


「フローレス、ここは俺たちだけで大丈夫だ!

 お前たちは城内へ・・・!」

 兄のその言葉に、わたくし達はうなずきました。


「行こう、フローレス!」


「ええ!」


 シーケン様と共に、わたくしは正門から城内へ・・・!


 すれ違いざま、騎士の皆さんがわたくし達に、敬礼の姿勢をとられていましたわ・・・。



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 出くわした魔物を次々と片付けながら、城内を駆けるシーケン様。


 そして、倒れているクソ共を踏んで『治療』するわたくし。


 ですが、


「お、おのれ小娘が!

 よくもこのワシを踏みつけおって・・・!」


「憶えておれ!

 後日必ず法にかけてやるからな!!」


「この足デカ女!!」


 などとぬかすクソも少なくありません・・・。


 あ・・・、何か段々とムカついてきましたわ。


 ・・・・・・


「・・・シーケン様、もう結構ですわ」


「フローレス?」

 前を走っていたシーケン様は、

 わたくしの言葉に振り返りました。


「わたくし、もう容赦いたしません。

 ここからは、本気でを一掃しますわ・・・!」

 わたくしそう言って、

 履物を脱ぎ捨てました。


 そしてわたくしは、

 今までよりさらに両脚を横に大きく開き、

 今までよりさらに深く腰を落とし、

 膝に手を当てた状態で目を閉じ、

『聖女の力』・・・『聖力せいりき』を溜めました・・・。


 ・・・そして!

 今までよりさらに片足を高々と上げたわたくしは、


「っどすこぉい!!!!!」


 今までにない気合声とともに、

 そのまま勢いよくその足を振り下ろし、

 床をドン!と踏みぬいたのですわ!!


 炸裂音と共に、光の衝撃波が地走りをともなって周囲へと広がり、

 それにより魔物たちは一瞬にして消滅し、

 そして、城内のクソ共は皆、ショックで気絶しました。


 ざまぁ、ですわ。


「フローレス、今のはいったい・・・」

 さすがのシーケン様も驚いていますわ。


「『結界』ですわ、の」


 そう・・・、


 わたくしはもちろん、

 今までの『聖女』は皆、国を守るために『聖力せいりき』を使ってきました。


 それが、周囲の魔物たちによる国への進入を阻むための『結界』。


 ですが、今わたくしが放ったのは、

『聖力』でもって、周りにいる全てのを払うもの。


 邪気が大きい者ほど、そのダメージも大きいのです。


 四股立ちの姿勢のまま、

 わたくし両の手を広げて言いました。


「守りの『聖力せいりき』転じて、

 攻めの『聖力』ですわっ!!」


【つづく、ですわ】



 ________________


『君』は読み進める……。


(……。


 この作者、本当に女性なのだろうか。


 何か、バトルシーンのノリがやけに少年漫画臭いのだが……。


 ――いやいや!


 今日び女性にも、少年誌の愛読者はいくらでもいる。


 男女差別は良くない……、良くないぞ!


 そうだよね、

 作者(きっと女子!)のジョセフィーネちゃん……!?


 ちゃんと、『応援ボタン』や『コメント』で評価はするからね!)












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る