わたくし、クソ王国を助けに参りますわ!


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 ようやくボンバイエ王国に戻ってきましたわ。


 さあ、これでまた充実した日常に戻れますわ、

 ・・・そう思っていた矢先。


 また領邸に、クソ王国の使者が来やがりましたわ。


 今度は一体、何の用ですの・・・。


「君の張った『結界』が破られたそうだ・・・」

 応対してくださったシーケン様が、そうおっしゃいました。


「ヒルルという新しい『聖女』のしわざらしい」


「ヒルル・・・、あの子が!?

 そんな・・・」

 さすがにわたくしも愕然としましたわ。


 あの子がそんな『力』を・・・。


 一体、何が起きたのかしら・・・?


「そのため、魔物たちが国に押し寄せてきているそうだ。

 このままでは国そのものが滅びかねない・・・」


「・・・分かりました。

 すぐに救援に参りましょう」

 わたくしがそう言うと、

 シーケン様は優しい笑みを向けてくださいました。


「君ならそう言うと思ったよ、フローレス。

 当然、僕も一緒に行くからね」


「大丈夫ですの?

 辺境伯が王様の許可も取られずに、隣国に救援に行かれるなんて・・・」


「大丈夫さ。

 への伝言は、ちゃんと頼んでおくから」


「え、父?」


「ああ、

 ボンバイエ国王は僕の父親だ」


「ええーっ!?」

 そうだったんですの!?


 やけに王様と仲がいいと思っておりましたが・・・。


 だから若くして辺境伯の地位に・・・?



 ――いえ、今は置いておきましょう。


 今はとにかく、

 一刻も早くクソ王国へ・・・!



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 わたくしが踏んだ干し草、

 わたくしが足を付けた水の入ったタライ・・・。


 それを食べ飲んで、ドーピン・・・いえいえ、

 力をつけたお馬さん達の馬車が、ものすごい速さでわたくし達をクソ王国まで運んでくれていますわ。


 馬車の中には、

 わたくしとシーケン様、アントニーお兄様も。


 さすがに、この三人だけで乗り込むのは不安がありますわね・・・。


 ですから、わたくしを使う事にしました。


「シーケン様、お兄様も。

 戦いの前に、お二人の力を跳ね上げさせていただけますか?」


 それを聞いて、お二人とも怪訝な顔をされました。


「力を上げる?

 すでに僕たちは、君のパンとワインで十分な付与を受けているが・・・」


「フローレス、ひょっとしてまだ何か隠し玉を?」


「はい。

 けがれなき乙女たるわたくしとしましては、少々恥ずかしいのですけれど・・・。

 シーケン様、恐れ入りますが、わたくしの前にひざまずいていただけますか?」

 わたくしのその言葉に、

 シーケン様は少し驚いたようでしたが、その通りにしてくださいました。


 何か、嬉しそうな表情おかおをされているような・・・、

 いえ、気のせいですわね。


 わたくしは履物を脱いで、

 素足をシーケン様のお顔の前に差し出しました。


 そして、本当に・・・、

 ええ、本当に恥ずかしいのですが言いました。


「シーケン様・・・、

 わたくしの足をめなさい・・・!」


【つづく、ですわ】




 _____________



『君』は読み進める……。


(踏むだけではなく、

 ここに来て、まさかの足舐め!


 自分には、一生縁のない世界だな・・・。


 作者(多分女子)のジョセフィーネちゃん、

 君って結構変態・・・?


 ま、『応援ボタン』や『コメント』で評価はするけど・・・)





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