わたくし、追放までされましたわ。(202308加筆)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
『聖女』についてお話いたしますわ。
この国では代々、
魔物から人々を守る『加護の力』を持った女子が誕生し、
国全体に魔を退ける『結界』を張る役目を
それが『聖女』。
わたくしは数年前、
その『力』を確認され、
あれよあれよという間に『聖女』に祭り上げられてしまいました。
そして『聖女』は、
代々この国の王子と婚約し、
次の『聖女』が生まれたあとも『女王』として、
生涯夫を支え国の平和と発展に貢献するというのが習わしとか・・・。
正直「げー」ですわ・・・。
エスイクス王子を支え続けるとか・・・。
―――あれと最初にお会いしたのは、
『聖女』としてはじめて『結界』を張ることになった王都の中心、
儀式の間での事。
王族や神殿の方々の前で、
わたくし達は引き合わされました。
「はじめまして、フローレス。
僕の未来の奥さん。
君の婚約者のエスイクスだ」
「フローレスです。
これからどうぞよろしくお願いします、
エスイクス様」
と、最初はまあ良かったのですが・・・。
いざ『結界』を張ろうと、
わたくしが靴を脱いだ瞬間、
王子は「んん?」と顔をしかめられました。
そしてわたくしは、
両脚を横に大きく開き、
深く腰を落とし、
膝に手を当てた状態で、
片足を高々と上げたかと思うと、
そのまま勢いよく振り下ろし、
床をドン!と踏みつけたのですわ!
その瞬間、
わたくしの足元を中心に、
まばゆい光が地面をつたって辺り一面、
やがて国全体へと広がったのです。
国中の大地を覆った光はそこから、
ゆっくりと天に向かって浮上し、
やがて周囲に溶け込むかのように、
霧散していきました・・・。
こうして無事に『結界』を張り終えたのですが・・・
「?」
周りの視線がやけに冷たいような・・・。
それだけでなく、
何とエスイクス王子が、
わたくしに怒りだしたのです。
「何だよフローレス!
あのかっこ悪い『結界』の張り方は!?」
「え?あれは、
東洋の島国に伝わる『
邪気を鎮める儀式ですわ。
わたくしの『力』とも相性が良いのです」
「何だよそれ!?
『聖女』って胸の前で手を組んで、祈りで『力』を出すものだろう!?」
「『四股』もある意味、
それにわたくしは、
足からしか『力』を出せないのです」
「足から『力』を!?
何だよそれ・・・、
昔いたっていう『駄目聖女』じゃあるまいし・・・。
そんな足臭い『加護』に守られたくなんかないよ・・・」
その場は周りの大人たちに注意され、
王子もしぶしぶ口を閉じましたが・・・。
その後、学院に入学し再会してからも、
王子の非難・・・罵倒は続きました。
「みっともない」
「『聖女』らしくない」
「僕の妻にふさわしくない」
「足がでかい」
等々・・・。
王子だけでなく周りの皆様も、
わたくしの『聖女の力』を馬鹿にして・・・。
「気品がない」
「信心が足りない」
「時期女王にふさわしくない」
「足がでかい」
等々・・・!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
―――ですから、今こうして宴席で、
エスイクス王子から婚約破棄に加え、
「フローレス!
『聖女』の名を騙った上に、
本物の『聖女』であるヒルルを虐待した罪は重い!
王家の名において、
君たち一族を国外追放とする!!」
と、宣告された時は、
マジでキレそうになりましたわ・・・。
【つづく、ですわ】
___________________
『君』は読み進める……。
(王子が婚約者を追放する……。
こういうのを見るたび思うんだよな。
『そんな権利がお前にあるのかよ!?』と……。
まあ、たいてい後で、父親である王様に怒られるのだが……。
それはともかく、
周りの聖女への悪口ひどいな。
年頃の女の子相手に『足がでかい』なんて、
デリカシーのかけらもない……!
ひょっとして、
作者のジョセフィーネもそんな風に、
セクハラまがいの事を言われた経験があるのだろうか……?
女の子は自分の心の傷を文章にしておこす、
と言うし……。
――とりあえず、
『応援ボタン』や『コメント』でしっかり評価してやろう。
それで作者が喜ぶのなら……)
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