第4話 暖かい

はじめての講義の

初めての出会い・・・

あの時の印象は聞けないままだけど

そんな彼はあの一つ分座席の距離を詰めて

隣にいる

そしてこうやってあたたかなぬくもりがある

「ふふふ」

「ん?どうしたの?」

「なんでもないよ・・・ただ・・・」

「ただ?」

間をおいて

「あたたかいなって!」

とつないだ手を目線に上げる

「そう?冷たくない?僕の手?」

「ぜんぜん!あたたかいよ!」

「そっか・・・」

そういうとほんの少し手の力が強くなる

その感触に私もほんのすこし握り返す

無言でかわす好きの交換

今の彼はどんな顔をしているだろうか?

そう思いまた彼を見つめる

あの時と同じ青い空・・・

そこに重なる彼の横顔はあの時と同じで

私の心をとらえたまま・・・

このまま四季が過ぎていっても・・・

きっとこの気持ちはかわらないって・・・・

思って・・・・

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