咲く二輪の華は〜 (お正月バージョン)
アキノリ@pokkey11.1
正月といえば
お年玉?
正月?恋?ゲーム?お年玉.....?
お正月と言えば何を思い浮かべるだろうか。
門松?お年玉?羽付?
まあ.....その程度かな、と思う。
俺は親父が死んでからまともな正月というものを過ごしたく無い気持ちだった。
だけど母親が再婚してから.....俺は2人に出会って.....。
この世界は広がった。
そして元旦。
「兄貴!お年玉が欲しい!」
「お兄ちゃん。お年玉が欲しいかも」
「.....」
朝起きてからリビングに行くと。
その様に2人に言われた。
俺はニコニコしている2人を見ながら.....苦笑する。
しかし可愛い義妹達の為だな、と思いながら笑みを浮かべ。
この日の為にと思った財布から5千円を2枚取り出してポチ袋に入れようとした。
のだが2人はこう言ってくる。
「えー。現金はいやー」
「兄貴。現金は嫌だ」
「.....え?」
2人はイヤイヤと首を振る。
何を言っているんだ。
そもそもお年玉と言えば現金しか無いだろ。
俺は眉を顰めながら、じゃあどうしたら良いのだ?、と聞いた。
すると2人は顔を見合わせてからニヤッとする。
「1日デートする券が欲しい」
「そう。私達とゲームして勝った方と」
「.....ふあ!?そんなんで良いのか!?」
「うん。それで良いよ!兄貴」
「そうだね。天龍」
だってお兄ちゃんを1日独り占め.....グフフ、と言い出す天翔。
俺はその姿に苦笑いを浮かべる。
それから、まあ良いけど.....、と言う。
すると2人は、本当に良いんだね?、とニヤッとした。
何か.....作戦でもありそうな顔で、だ。
「あの。まともなデートなんだよな?」
「.....うふふ。そうだね」
「そうだね。兄貴」
「.....」
かなり嫌な予感がするが.....仕方がない。
このまま突っ込まずにいても話は進まないだろう。
思いながら.....俺は考えながら、そのゲームとやらは?、と聞いてみる。
すると、ん?恋愛ゲームだよ。兄貴、と答える天龍。
俺はボウッと赤面した。
「.....マジか。具体的には.....」
「ポッキーゲーム。好きなところしりとり。愛してるよゲーム」
「オイオイ。無理があるだろ。そもそもそれは恋人がするゲームで.....」
「だって私達はお兄ちゃんが好き」
「そうだよね。天翔」
何か.....いけない事になってきている気がする。
俺は赤面しながら2人を見る。
2人に聞いてみた。
恥ずかしくないのか、と。
すると、当然恥ずかしいよ、と答える。
「.....でも私はお兄ちゃんが好き」
「私も兄貴が好きだからやりたいの」
「.....!」
これは逃げた方が良さげな気がしたが。
2人はそれも察しているのか。
お兄ちゃん。逃げないでね。逃げたら泣くよ、と言ってくる。
兄貴の事が嫌いになる、から、と。
コイツら.....。
「.....分かった。だけど過激なものは禁止」
「うん。そうだね」
「確かに」
それから俺達はゲームを開始した。
先ずは.....ポ、ポッキーゲーム.....なのだが。
ポッキーを口に咥える。
先ず天龍が俺の前にたちはだかった。
天龍も咥え.....俺をニヤッと見てくる.....。
俺が恥ずかしがる事を知っての事か!
「兄貴は負けるよ。.....絶対に私に」
「.....それはどうかな。なあ天龍。実は.....俺お前の事が好きなんだ」
「.....ふぇ!?」
「だから付き合おうぜ」
ポッキーが落ちた。
俺の勝ちだ。
兄貴汚い!、と言いながら俺を、プンスカ、と批判する天龍。
こういうものは赤くなってこそ勝負なのだよ。
大人は汚いものだ。
「じゃあ次は私。愛してるよゲーム」
「.....そうだな」
「私は天龍の様にはいかない」
「.....そうかな。.....愛してるぞ」
「.....私も愛してる」
そんな事を言いながら2人で見つめ合う。
キスしそうな感じで、だ。
俺は視線を下に下ろす。
そしてニヤッとした。
スカートが捲れているぞ、と告げる。
「ふぇ!?」
「ハッハッハ。赤くなったな?.....俺の勝ちだ」
「.....き、汚い!」
「アッハッハ」
兄貴汚い!、と言いながらかなり怒る2人。
そんな2人に言い聞かせる。
こんなゲームは最初から無意味なのだよ2人とも。
俺は言いながら2人を見つめる。
2人は?を浮かべた。
そして、お前ら俺とデートしたいんだろ?じゃあもうこんなゲーム無意味だ。それにお前らには世話になっているしな、と言いながら紙に書いた。
デート券、と書いて、だ。
それからポチ袋に入れて渡す。
「これ.....兄貴.....」
「お兄ちゃん.....?」
「まあなんだ。.....正月だからな。.....だから2人とデートするよ。無理に勝たなくて良いんだ。またいつかしようぜこういうゲームは」
そして俺は天龍の。
天翔の頭をゆっくり撫でてから笑顔を浮かべた。
そんな天龍も天翔も目を輝かせる。
そして俺に抱き付いてきた。
やれやれ、と思う。
「お兄ちゃん。だから好き」
「兄貴有難う.....!」
「.....ああ」
それから俺は2人を見る。
去年は色々あった。
その分.....一生懸命に楽しみたい。
そう.....思いながら、だ。
成長していくコイツらを見れる事を.....誇りに思いながら。
fin
咲く二輪の華は〜 (お正月バージョン) アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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