第4話:ぼくのフロントトゥース(春日ではない)

 ぼくの前歯は、悲しいことに少し欠けてしまっている。

(ぼくが話をしている最中だったら、わからないかもしれないが、

  大きく口をあけてみせたら絶対気づかれるレベル)


 欠けたのは小学生の時( ;∀;)

実家の近くの公園に、幅の大きな滑り台があった。

どれくらい大きいかというと。

子供7人ほどでも横にならんで一斉に滑れるくらいのサイズだ。

(注意:ソーシャルディスタンス考慮なし時)


 ある日、鬼ごっこをしていて逃げているとき、

公園の滑り台の上で、鬼(役)の友人が、ぼくの足をすくった。

これはかなりの不意打ちで。

抜群の運動神経を、残念ながらぼくは保有してはいなかったので、

思いっきりころんで、アゴを滑り台にしこたま打ちつけた。


 痛い。書いてても痛いなコレ。

当然、流血だ。しかも運が悪いことに流血だけではすまず、

上の前歯が二本とも先っちょが少し欠けてしまっていた。

しかも不幸なことに永久歯であった。

歯が欠けていることは、歯磨きしたり、鏡をみてニン!とすれば、

否が応でも思い知らされる。


 とはいっても、もう何十年も見てきているので、

見慣れたなれた顔(というか歯)ではあるが。


 ぼく自身が悪いことをしたわけではなく後悔しようもないのだが、

(あの日公園に遊びに行かなかったら、と思っても、

その友人が別の日に仕掛けてくる可能性は高いわけで。

ただ滑り台の上で鬼ごっこした、というのは反省点か。

みんなやってたけどなぁ)


 この出来事は、ぼくが何かを考えるうえにおいて、

〇〇したらそのあとは××になるよ、〇〇する際は、その結果も

よく考えないとだめよ、と認識させた大事件として心に刻まれている。


 そしてこどものうちでも一生に残る傷はできるものだということも、

わからされた。歯が欠けていることによるコンプレックスは0か?

と問われれば絶対そうじゃない。心のどこかで、スティグマ的なものとして、

とらえてしまっている自分がいる気がする。

人はそんなに他人のことを、気にして生きてはいないのも、

これだけ生きてきたらわかっているけどね。


あと前述のとおり、常に大口をあけて生活しているわけではないので、

気づかない人が大半なんだけどね。(それか気づいたけどあえて言わない優しさなのか?そう考えたら周囲の人に恵まれているわけだがw)


 昔は、いつこの歯がぽろっと崩れてしまうか恐怖だったけど。

ここ30年は大丈夫、でやらしてもらっている。

でもぽろっといったら神経むき出しになっちゃう?

そしたら激痛だろうな。速攻歯医者いかねば。

でも。年末年始や長期休み中だったらどうしよう。

そんなことを考えると恐怖がよみがえってきた(笑)

フロントトゥース、ここまで来たら、最期までもってくれ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る