第四会場
4-1 勇者も扱えなかった重い聖剣――精神的に――を引き抜いてしまった件。
コメディ版エレメンタルジェレイド。
ギャグはセンスがあえばいいですが、そうでない場合は読者を振り払う悪手になります。
主人公の目的が抽象的すぎますね。英雄の力が欲しいのはわかるけど、それで何をしたいのか。最終目的くらい提示すべきです。
ワンアイデアですし、先の膨らみもあまりありません。
ファンタジーに進むのか? ラブコメに進むのか? どっちかでもしっかり提示すべきです。
文字数ギリギリなわりには情報量が少ないですし、もっとしっかり作れたと思います。
こちら、私の作品でした。
思っていたより票をいただけていましたが、2,2,6と三位票がとても多かったので、やはり尖りとその先の展開の提示が足りなかったなと。
基本的に書き出し祭りは商業では使えなさそうなネタを毎度好きに書かせてもらっていますが、もう少し狙いに行ってもよかったかもしれません。(特にタイトル)
ぶっちゃけるなら、問答の部分を書きたかっただけで、そこに合わせて全体を作った感じでした。笑
4-2 「お前、女だったのか!?」「……!?」
予想外でしたね。
タイトルからてっきりラブコメだと思ってました。
現状ではわからないことが多いですね。
もうちょっと読まないと評価できなさそうです。
4-3 最強魔王様の死に戻り生活
これ面白いです!
ルーシャのキャラとても好き。
これはプロの仕業でしょう。絶対そうだし、そうじゃなかったらプロになってください。
そのまま連載すれば普通にさくっと書籍化しそう、というのが第一印象です。
私は続き読みたいですね。全ての情報が綺麗に提示されています。
頭脳派を自称していますし、戦いになる前に全てを終わらせる流れでしょうか。
孫子の兵法ですね。勝負は戦いの前段階で如何に準備をするかで決まります。
鍵を盗まれないようにして……と続きが展開していくのがわかる造りが上手。
4-4 ガイコツ男はトレンドになりたい。
ガイコツだってオシャレしたい! という流れになっていくのですね。
なかなか珍しい軸のお仕事ものでした。
過労の描写は段階を踏んで入れて行ってもよかったかなと。
体に明らかな異常を感じつつ……のほうが。
構造的には一応底辺に落ちる? ことになるので、そこからの成り上がりなど期待できていいですね。
4-5 Gerald R.Ford Carrier Strike Group
これは難しいと思いました。
今の段階だと正直情報の羅列でしかなくて、何をどう楽しめばいいのか迷ってしまいます。
4-6 さぁ集めようか、ガラクタアリス
これ投票しようと思いました。
一つの目的のために何もかも捨てるかっこよさ。
読者の視点からでないとわからない昼行燈はかっこいい。
地位や名誉や金銭よりも、昔の思い出のほうがよっぽど輝いているってことですよね。
4-7 深窓のアマテラス
変わった設定の安楽椅子探偵……という感じでした。
私はこういうの大好きです!
小言を言うなら、探偵役が不明瞭かなと。
バディプラスワンという形なのかとは思いますが、メインである視点は欲しかったです。一応執事がそれなのかな?
後半で蘇芳の視点が入ってしまったので、そこでちょっと混乱してしまった感じです。
冒頭一話は執事視点だけで良かった気が……!
4-8 地縛霊になった先輩と枯れたJKの初恋延長戦
おお、やられた!
今回の書き出し祭りでは数少ないどんでん返し。
これで前のほうに何か死んでいる要素があったら最高でしたね!
読み返して「ここか!」を体験したかった。
でも面白かったです!
4-9 このパーティは恋愛禁止です!
兼業探索者という夢のない響き。
現代にダンジョンが普通にある世界の描き方が上手。俺だけレベルアップ~の世界に近い感じですかね。
しかし空気がすごい独特です。
これ面白かったです。投票候補です。
実はあらすじにある「探索者控除無しに十分な収入を確保することが難しくなった時代。」というワードだけで投票するとほぼ決めていました。
4-10 僕と脳内彼女の異世界奮闘記
葉月だとハヅキになるのでは……? となぜか気になってしまいました。
ヒロイン? が寄生虫という珍しさ。
この先は引きの通り討伐される側になっちゃうのかな。
4-11 R.E.D
色盲ってことなんでしょうか?
私の読解力がないのか……正直わからないところが多いですね。
色盲だったとして、それがどう特殊なのか。なぜリストバンドがないのか。私の認識だと色盲の人ってそこそこいて、あまり特殊にも感じないところあります。言っていないだけで。
赤と緑が出てきたのできっとそうなのかなぁと思いました。信号機がわからないって代表的なものがあるので。
4-12 ぼくたちの男坂はケーブルカーでショートカット
全然わからないけど最後までスムーズに読めてしまう。
これはシュール系ギャグとして読むのが正しいのかな。
内容がないよう、なんて言いたいですが、これはこれで好きでした。
4-13 カイキ荘のヤサカニさん
ヤサカニさんフォーカスでよかったのではないかなぁと思います。
最初にヤサカニさんで、その後さまざまなキャラが出てくる方が理想的かなと。
4-14 花盗人の魔剣
正統派ファンタジー。面白かったです。投票ですね。
人の数え方が一輪だったり、細かいところおしゃれでした。
全体的に薔薇に寄ったつくりなのもいい。
本文読んでからあらすじを読むと「ええやん……」となってしまう。
設定羅列する系かな……と冒頭を見てあまり期待していなかったのですが、いい意味で裏切られましたね。
そうそう、ローゼンリッターという名前を見て、「裏切者が出そうだな……」と少し思いました。
知らなければ銀河英雄伝説を読もう! 旧アニメはたった162話しかないのでオススメですよ!
ローゼンリッターに色があったらもっと好みでした。こうしたほうが、というより、本当にただの好みですが。
主人公に色を付けるなら黒かなと。とはいえ剪定の魔剣なので不純物にもなりますかね。
黒い薔薇の花言葉は「恨み」「憎しみ」などのマイナスワードのほか、「永遠の愛」などもあるらしく。
私ならそんな感じにしちゃいそう。
4-15 黒ーKUROー
硬派でかっこいい系ですね。
復讐の始まりでした。ディスコミュニケーションはよくない……という現実でも起こりそうな始まりです。
4-16 旅路
純文学的ですね。
知らない列車に乗って知らない駅に行って……は王道かと思います。
あまり大きな事件が起きていくわけでなく、旅先で色々な人に出会って変わっていく話なんでしょうね。
4-17 不死宮さんはむっちゃ死ぬ
ラブコメでした。
照れやデレが死という形で見えるので、ヒロインの特徴も含めてわかりやすいですね。
内容もよかったです。
余談ですが、商業を狙うなら「俺にだけ」要素は何かしら追加したほうがいいですね。この場合は強化という感じでしょうか。少女漫画を読みたいのもいいのですけど、メタ的に言うなら、男性読者がメイン層になるジャンルだと少し弱めなリードかなと。
いつか彼氏ができたときのためにデートスポットに行きたいけれど、きっとドキドキして死んでしまう! だから一緒についてきて、死んだら私を助けて! みたいなノリでもいいんじゃないかな? 思いついたままに書いているので、適当で申し訳ないですが……。
私ならヒロインは主人公相手の時だけ死ぬとかにしちゃうかもです。もちろんほかの要因でも死んじゃうんですけど、対人でドキドキするのは主人公だけとか。
これから色々なところにデートに行くうちに本当に好きになっていくんだろうな、と予想できるように作ったほうがよさげに思います。予定調和を楽しむジャンルなので、あまり意外性は要りませんし、先の展開が全部わかるくらいでいいんですよね。重要なのはキャラの精度。
あと特徴以外でヒロインをもっと持ち上げてもいいかも? 外的な評価はもっと高いほうがいいと思います。
一応係として専属状態ではあるのですが、何かヒロインの秘密を聞いたなどあるともっと尖ると思います。
ラブコメの一話の役割はすごく評価の高いヒロインの紹介と、本来住む世界の違う主人公がどうかかわっていくことになるのかの提示が大事なので、そこにフォーカスするともっと良くなると思いますね。
売れている作品の共通点として、ヒロインは主人公にだけ見せる要素があります。それもヒロインの内面に即したもので、デレに直結する要素で、かつ主人公以外になびかない証明として必要なものです。
昔はシチュエーションや属性だけで成立していましたが(一昔前は人気出るだろう属性のをいっぱい出すのが流行りでしたよね)、昨今は「だけ」の骨子がしっかりしていないと抜けたヒットはしない印象ですね。
最近のものだと、アーリャさんは主人公だけロシア語を理解できていますし、それでデレます。
古味さんはコミュ障ですはコミュ障の事実を主人公だけ最初に知り、誰にも話したことのなかった気持ちを文章という形で伝えてくれてデレます。
猿渡先生の「塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い」はタイトルに「だけ」を書いてますよね。あの作品もヒロインの秘密を主人公が知る形で発展していきます。しかも主人公なら、その目的に協力できるというアドバンテージを持っているんですよ。
一歩抜けたヒット作はヒロインを相当持ち上げていて、そのうえで主人公だけが他の人間よりヒロインを知っている構造になっています。その着せ替え人形は恋をする。なんかもそんな感じになっていましたね。その視点で見ていけば、売れているものはほとんどこの構造を採用しているとわかると思います。
幼馴染などのワードも主人公の優位性を説明するワードですね。拙作の「エルフ奴隷と築くダンジョンハーレム」も奴隷というワードで主人公の優位性を提示しています。
まれにセンスの力で押し切って大ヒットしているものもありますが、そういった作品はラブコメ部分以外もずば抜けて面白かったりするので、あまり参考にはできないんですよね。才能の暴力を感じます。
この作品の場合は目的地が上記作品のような形でしょうから、提案程度ですが書かせていただきました。
色々書いてしまいましたが、設定が特殊なのにしっかり扱えていてよかったです!
どうしても「自分が書くなら」を視点で感想を書いてしまいがちで、それはやはり商業狙いの視点ですので、こうして書かせていただきました。
たぶん、意外と言われないとわからない事実だと思いますので、何かに活かしてくれれば。
4-18 超有名な邪悪なる魔剣と有名になれない少女の話
勘違いもの。
なんとなく締め切りギリギリに出した空気があります。笑
主人公がぶっ飛んだ感じですね。
ちょっとサイコ感。
途中からの人称ブレ、誤字などがちょっと残念かなと。
主人公に剣が質問し続けるからが原因ですかね。どうしても受ける側がメインの人称になってしまう……。
4-19 ぼろ屋を買ったら妖精さんが住んでいました
スローライフ系かな?
最後で認められかけてるのがいいですね。
大きな話ではないけど、ほのぼのとしていてよかったです。
4-20
加入前のお話ですね。
個人的には加入後から始めてよかった気もします。
回復術士派遣会社の面々のほうが圧倒的にキャラ強いので、冒険者仲間よりもそちらにフォーカスした作りのほうがきっと理想的かなと。
かつての俺を救いに行こう、みたいな始まりだとかっこよかったかな。
4-21 いとこの形見
核がわからなかったなぁと感じてしまいました。
ジャンルもですけど、何に至る話なのかもっとフォーカスできていればと思いました。
しかしキャラに対して性癖は出ていたのでそれはよかったです。
4-22 筋肉夢想~華麗に躍り狂う筋肉達磨の無双譚~
一風変わったバディもの。
筋肉で何もかも解決するスタイルは好きです。
鍛えた筋肉に魔物が勝てるわけないんですよね。
4-23 おやゆび姫は眠らせない
太宰を思い出す文体でした。
これ、人を選ぶ内容と文章だと思います。
しかし面白いですね。いわゆる昼行燈キャラが無双していく流れ。
私は「ピアノの森」など音楽系好きなので刺さりました。
会話の終わりの。はいらないので、それがなければもっとたくさん書けたと思います。
4-24 好奇心は猫をも殺す。況や人をや。
平安ミステリ。
よかったです。意外と巻き込まれ系スタートでした。
文体的に仕方ないと思いますが、キャラの説明にかなり文字数使ってしまうのが難しいところですね。
あと千文字くらいほしいところ……!
4-25 どうも、異世界召喚に巻き込まれた勇者です、勘弁してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
メタ的な作品でした。
ツッコミというワンアイデアで突っ切っていく系ですね。
この手の作品はセンスが合うかどうかにかかっていますね。
個人的には……ツッコミというより騒いでいるだけに感じました。
構造的には問題ないと思います。
キャラは出ているし、何をしていくかも明白。
強いて言うなら、ベースはもっと暗く作っていくほうがギャグは強調されるんじゃないかな? くらい。
おそらく初心者なんだと思いますが、それにしては造りが上手ですね。
このまま書くのを続けていればもっともっと伸びていく作者さんだと思いました。
――……などは二個が1セット、「」の終わりに。はいらない、文頭下げなど基本部分を覚えていけば綺麗になると思いますよ。
かっこいい何かを作りたいなら、全体的に――……を減らしてもいいと思います。強調したい時だけで。
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