第三会場

3-1 Magic And Machine


 魔法と機械どっちが優れている? というのはテーマになりますね。

 私個人としてはどちらにも優れた点があるから融合して魔導機械みたいにしちゃいますかね。字面がかっこいい。

 今作もきっとそのように向かうのでしょう。

 

3-2 『追放? 一方的な解雇通告は、ギルドの規約違反ですので受け付けておりません』

 

 追放アンチテーゼな始まり。

 この作品は私の好みでした。

 主人公に信念があって目的ははっきりしていますし、生意気ヒロインと一緒に色々やるのだろうなと先が想像できて良き。

 

3-3 マリアナに堕ちたのは親友ではなく、私でした。


 いいと思いました。

 私は知識がありましたが、文字数的な余裕もあるのでダークウェブについての前提知識をもう少し入れてもよかったと思います。それそのものが不謹慎なワクワクがありますし。

 記憶がないということで、主人公の得る情報がそのまま読者の目線の面白さがあります。

 大きな謎に繋がっていく予感が強いので、先に期待できますね。


3-4 転生したらブラコン気味の妹と旅することになった件


 ヘビー……とはいえ、私はこういうのも好きなので全然平気でした。

 これから一緒に転生して過ごすことになるのかなと思いましたが、懐かれたとして、寝取られ三昧ウリ三昧でかつ敵意を向けてきた子がヒロインというのは攻めたスタイルに感じました。

 正直、ヒロインの要素としては私はあんまり……。


3-5 貴方を創りたい


 性癖で攻める作品。

 正直なところ読者は選びそうだなと。

 

3-6 主人公不在の世界で


 自分の作品の世界はだいたい行きたくないなぁ……と読みながら考えました。

 自分が主人公になるという流れになっていくのでしょうけど、現状だと作者である強みがないので、そこを多少なりとも提示できていればもっと良くなりそうです。


3-7 冥婚鬼譚


 タイトルで注目していたのですが、これ好きでした。

 冥婚って一度はテーマにしたいものです。

 タイトルしか見てなかったのでまさかのラブストーリーでびっくり。

 こちら投票しようと思っています。


3-8 親方日の丸の研究職に就いたつもりが、鬼神のお供え物にされてしまた


 タイトルの空気とは全然違う……!

 しかしいいですね、これ。

 鬼神が科学を舐めているのがわかり、大物感があってよかったです。

 ただこれ、続きを書くならノクタ案件ですかね?

 因習ものはしっかり書けば伸びる場所ですので、ぜひ。


3-9 善きモノたちへの葬送歌


 これ好きです。

 投票しようと思いました。

 ベタではあるのですが、こうしたアンドロイドの心の目覚めものは飽きません。

 

3-10 全日本ポルノ禁止時代


 エロ版アルカポネ。

 想像していたよりハードボイルドな空気で、そのうえでエロを売っていると考えると笑える構造です。

 全体的に刑事ドラマのようなテンションなのですが、そこに独特なギャグが入るので笑ってしまいますね。

 残念なところは、肝心の禁読法に絡んだお話があまりないこと。

 もう少し施行後に現実と変わった空気などあれば文句なしでした。


3-11 情鳩


 純文学的でした。

 どこへ向かう話なのかが分かればよかったです。

 私は好きな空気だったので、その点がはっきりしていれば嬉しかったですね。


3-12 裏社会アイドル楽園


 先が気になりますね。

 シチュエーションがリアルで、呪いはともかくいくらでもこういうことがあるんだろうな……という。

 

3-13 ロストフェアリーテイル ~妖精失くしと迷い人~


 ゼルダの伝説のコキリ族を思い出しました。彼らも一人一人妖精がついていて、主人公のリンクだけが妖精持ちじゃない……みたいな感じだった気がします。

 現段階では目的がない(目的を得るための旅だとは思いますが)ので、あらすじでもう少し先まであってもよかったと思います。


3-14 勇者の器


 英雄の定義、いいですよね。

 何のゲームか全く覚えていないのですが、「人は運命に選ばれて剣を取り、歴史に選ばれて勇者となる」みたいなキャッチコピーだけうっすら覚えてます。

 現状転生パートまでしか書かれておらず、勇者の器が何をするのかしたいのかが書かれていないことが残念。

 あらすじでは一冊書く場合どう着地するのか書いてもよかったと思います。

 とはいえかっこいいと思うところだけ書きたい気持ちもすごくわかってしまう。笑

 

3-15 黄昏が変わる頃


 うーん、これは主人公の一人称で書くべきだった気がします。

 それと、「僕」が冒頭で二人出てきてしまっているのはあまり良くないです。一人は「俺」にするとか、一目でわかるように描き分けたほうがいいですね。

 やりたいことはわかるのですけど、そういった構造のわかりにくさで損している印象でした。

 セリフで一度に話すのは二人まで、ほかの人物が混じる場合は、いったん主人公の地の分を入れて、誰が話すとか何をしているのか挟んだ方がいいです。


3-16 Infanteriebataillone auf dem Vormarsch


 増加中の歩兵大隊、という意味らしいですね。(グーグル翻訳)

 あらすじは「歩兵大隊の物語は、単に大規模な作戦の一環として戦場に行進します。」

 攻めたなぁ……という印象。

 これ、ノクタの人な気がします。というのも、ルビの使い方がすごくそれっぽくて。そしてノクタならこれはやれる文体なので。

 

 実質少佐くらいが一番主人公に向いていますよね。

 前線における必要な権限は保持しているし、自由度が高い。部下も多いしクセのある上司も出しやすい。

 私はミリタリもの好きなので全然ありに思いました。

 文章的にもこれくらいのほうが空気には合ってます。

 票を取る、という一点で見ればまぁ……という感じはあるのですけど、書き出し祭りじゃないと出す機会ないんですよね、こういうジャンルって。

 

3-17 ラブコメ波動の継承者 ~ラブコメの波動に目覚めた俺は恋心で世界を救うようです~


 好き。これ面白かったです。

 内容そのものはくだらない(失礼)のに、いちいち強そうな二つ名を持った人たちが出て来て、しかもやはりくだらないことを言ってくるのがずるい。

 主人公のアオハールって名前でニヤけてスタートしちゃったので、全体的にニヤニヤしてしまった。

 真面目な視点で感想を述べるなら、主人公の能力や今後の方向性がしっかり書かれていて、キャラも各々立っているし、クーデル王女なんて出る前からクーデレなのわかるし、かなり水準高めに思います。

 趣味に合っているのもありますが、投票対象です。


3-18 赤ずきんちゃんはオオカミくんを捕まえたい!


 よかったです。

 女性向けというより少女向け作品の空気に感じます。

 恋愛ものにおける障害が最初の段階で提示されていて、主人公たちがこれからどう進むのか色々想像できていいですね。

 主人公に好感が持てるようにできているので、男性でも普通に読める造りでした。

 

3-19 素手喧嘩サモナーズ ~俺より強い召喚獣に会いにいく~

 

 あらすじで笑ってしまった。

 本編でも笑ってしまった。バルク・アームストロングという名前だけで筋肉だるまが想像できるのもいい。

 最強のはずの主人公が100年後ではむしろ弱そうな立ち位置にいるのがいいですね。何しろ使っていた魔力があまりないわけで。

 変化の過程を楽しむのが物語なわけですけど、これは非常にわかりやすい変化があってよかったです。これも初見で投票を決めました。

 情報の取捨選択技術や構成など考えると、これも書籍化作家の仕業な気がする。そうでなくても書き慣れてますよね。

 書き出し祭り用のネタであって続きは考えていないだろうなという空気。笑

 わかります、そういうの出したいんだよね……!


3-20 シノビ・トランスフォーム!!


 忍者版ドラゴンボールかな? という設定でした。

 書き出し祭りの文字数制限を考えるとこれくらいシンプルな設定のほうがいいと思います。

 読み進めていて、これもしかしてヒロインを忍者だと思い込んでしまうタイプの勘違いラブコメか? だとしたら気になるな……と思っていたのですが、普通にバトルものでした。そしてまさかのTS。そのTSもその状態ならヒロインに正体がバレずに話せるのでは……!? と色々期待してしまいました。

 個人的には普通にバトルもあるラブコメのほうがよかったな……。

 とまぁ若干批判的に見えることを書きましたが、これもレベルが高く書籍化作家の仕業だと見ました。

 話の流れがスムーズですし、情報の出し方など見てる感じ相当慣れてる。

 最後まですんなり面白く読めて、そのうえで「ラブコメじゃなかった!」となってしまっただけで、ずっと続きを期待して読めました。

 投票対象です。


3-21 怪盗ブレイブ&ヴァンプ ~怪盗なのに写真とか人形とか出回っています~


 これ色々もったいない! と思いました。

 キャラの会話などよくできているし、作品そのものの空気もわかるのですが、情報の選び方やフォーカスする方向がバラバラなのがもったいない……!

 あと文頭下げも場所によってバラバラなのは気になるところ。一切しないとかならまだ統一性あるのでいいのですけど。特に書き出し祭りは文字数制限あるので一切しない選択肢は全然ありです。私も時々やろうと思ってます。

 会話文の始まりの「は下げなくて大丈夫です。【に関しては人によってルール違うと思いますが、私は会話と同じく下げずに使っています。集英社に限っては下げていないと思います。

 おそらくまだ初心者の作者さんだと思いますが、センスは感じました。そのセンスが最終的に才能と呼ばれるものなんですよね。

 

3-22 僕の彼女はマスクが似合う


 書き慣れている空気です。

 しかし気になったのは、結川さんいりますかね……?

 タイトル通り橘さんにフォーカスすべきだった気がします。

 どうして現実に出てきたのか、の謎より、なぜ橘さんが付き合ってくれているのかの謎で進めたほうがスマートでした。

 三角関係をしたいなら、すでに出てきている幼馴染のほうがキャラも立ってていい気がしますし。

 マスクで顔を隠すように感情を隠しているんだろうな、という軸を想像していたので、少し首を傾げてしまう。

 いわゆるコミュ障系ヒロインのマスク(比喩)を剝いでいく可愛さで読ませるほうがきっといいかなと。マスクがないと見慣れない唇があって、思わずキスしたくなる……みたいな。

 ……実績あれば企画通りそうな空気ありますね。

 

3-23 魔導兵装ぷりてぃ♡みるくっ!


 タイトルからは想像してなかった内容でした。

「その着せ替え人形は恋をする」に似た空気ありますね。

 いわゆるオタクに優しいギャルとのボーイミーツガールもの。

 設定をダラダラと書き進めることなくすぐキャラにフォーカスしているのが好印象。


 主人公が打ち込んでいるものをしっかり真面目に評価してくれているヒロイン。

 しかも住む世界が違うと思っていたヒロインが同じものを好き……というラブコメの始まる予感。

 前述した作品の構成にかなり似通っている点は否めないのですが、逆にあそこからバトルものに持っていけているのがすごいですね。

 かなり王道なスタートだと思います。

 面白かったです。こちらも投票対象ですね。候補が多いな……。

 

3-24 灰の世界と永遠の魔女

 

 お話を書きたかったというより、この世界を書きたかったんだなと感じました。

 なのであまり野暮なことは書きません。

 というより、これはこれでいいかなと思いました。

 この空気がきっと大事。たまーに、商業作品でも編集さんや校正さんの手が入ってバランス崩れたのありますよね。


3-25 未熟賢者のラクガキ魔術マギアート


 この手の前例があまりないタイプの設定の場合、この段階で何ができて何が起こるのか描写があればよかったかなと。

 素描で何ができるのか、これはもしかして……!? と思わせる引きがあるとベストですね。

 賢者ミヤザワの知識で活躍していくのは想像できますが、逆に素描のほうが目立たないかなと。メインは素描のほうですよね。

 

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