第11話 感動
とりあえず、話を聞かないと何も始まらない。
「すみません、ここ初めてでルールとか知らないんですけど…。」
「おっ!初めての人は久しぶりだな!じゃああそこの受付で話を聞くんだな。ちなみにここは観戦スペース、反対側が選手のピットだ。まあ興味持つってことはもとはそういう人間なんだろ?」
「はい。自分とても驚いています。まさか現代日本にこんな施設があるなんて。」
「確かにな、俺がここに来たのは4年前で、それより前からやってるみたいだ。全く人間の興味は止まらないもんだね。兄ちゃんの試合楽しみにしてるぞ。」
「親切にありがとうございます。」
そして受付にたどり着いた。仮設のテントと無線機、何個かの監視カメラ用のモニターがあるなんとも簡素なところだ。
「すみません。初めてなんですけど…。」
「ようこそエンジニアのユートピアへ! ってのがうちの売り文句だ今後ともよろしくな!」
答えてくれたのはなんと大学時代ならかかわるのを避けたであろう人種、俗にいうウェイのような日に焼けた男が出てきた。
「どうも、無法バトルフィールドのリーダーのシモンだ。んで?君は観戦希望なのかな。と思ったけどだったら観客席で黙って見てるよな。じゃあ———」
「ここで戦わせてください。」
「これはこれは、久しぶりの新人登場って感じだな。一応機体の作り方とかは知ってんだよな?さすがにワークショップ開くまでフレンドリーではないぞ。」
「機体の作り方は心得てるつもりです。」
「オッケーオッケー。じゃあここの競技ルールを知りたい感じね。とりあえず何個かクラス分けされてる。とはいっても全部無人装甲車だから主に武装で分けられてる感じね。模擬弾しか使えないクラスとか機銃のみ、なんでもありのノンクラスとかもあるよ。」
なるほど、いくら無法バトルフィールドと言ってもクラス分けしないと面白く無いし選手も増えないからな。
「当日参加オッケーで車検は競技開始直前に武装のチェックのみ、不正が見つかった場合、特に故意だった場合は速攻出禁。分かった?」
「車体のサイズの規定と、武装のレンタルができるかどうかを教えてください。」
「車体サイズの規定はないよ。フィールド見てもらうと分かるんだけど、障害物あるじゃん?大きすぎるとあれの恩恵受けられなくなるし、小さすぎてもまともに走れないからそこんところも注意してね。そして武装のレンタルは基本オッケーってことになってる。けどもちろんここから外に出しちゃいけない。だから欲しい人にはすぐ3Dデータを提供している。そして試合開始前、またはこっちに声かけてくれれば貸して使ってもらえる。弾薬はレンタル費に含まれてるから気にしないで。」
本当にここに来てよかった。無人機を現代で研究するのにこんなに適した場所があるだろうか。しかも過去に無人機研究したことがある人がほとんどだという。これでまたあきらめかけてた無人装甲車の夢をリスタートできるかもしれない。
もしかしたら彼の行方を知っている人も
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