第26話 負けヒロインにはなりたくない

 二葉の一人称はフタ

 三葉の一人称はミツ

 です。ややこしいと思いますので一応。


 そして、この話はフタが主人公です。

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「ねぇねぇ。フタ。」

「どうしたの?」


 ミツが険しい顔で聞いてきた。


「最近、スイにぃに女の子が集っている気がする。」

「気がするんじゃなくて、集まってるよ」


 フタも思う。

 フタたちのお兄さんなのに、いつのまにか…


「待てえーい。実妹は太陽だよ!」


 太陽ちゃんが来た。

 太陽ちゃんは間違ってないが、フタにとってもスイ兄さんは兄さんだ。


「太陽ちゃん」

「なによ。」

「急でごめんだけど。手を組んで欲しいの」

「なんのよ。」

「スイ兄さんをベタベタ触る人たちを引き離すの。」

「ミツもやる。」


 ミツは即答。あとは太陽ちゃんだ。

 太陽ちゃんはとても考えていた。


「おにぃに幸せになってもらいたいけど…今の状況はやり過ぎなような…」


 凄い悩んでる。


「ん~~~!!!!!!!」

「どうするの?」

「賛成!手伝う、今の状況はやり過ぎだからね!」


 太陽ちゃんも考えた末に賛成してくれた。

 あとは、イチ姉さんにも協力を求めよう。


 イチ姉さんに聞くと、


「え…手伝うよ。スイはイチたちの家族だから」


 と、一瞬で賛成だった。

 そして、イチ姉さんが言った。


「スイ。明日瑠璃さんと遊びに行くらしい。」


 え。なに……なにこのもやもや。

 初めての感覚だ。

 スイ兄さんには失礼だけど、こんなにモテているとは思わなかった。

 だから、フタももしかしたら幸せになれると思ってた。

 でも、現実は甘くなかった。

 今となっては、

 イチ姉さん。ミツ。姫之川さん。アリスさん。エマさん。

 なんて、ハーレムなんだ。

 この枠のなかで、フタは幸せになれるだろうか。


「その話いただいたぞっ!」


 ドアを勢い良く開け、アリスさんが入ってきた。


「げ」

「なんだっ!そのって」

「大変なことになったなと思ったからよ」

「なんだとっ!」

「エマさんはいいけど…アリスさんは」


 フタが口を挟む。そして、フタの意見にミツも頷く。


「なんでだっ!将来、スイの奥さんになるのに!!!」


「「「「え」」」」


 今、なんて……。


 アリスさんの言った言葉は全員に突き刺さった。

 すると、顔を真っ赤に染めて、エマさんが「わ、私も負けません!!かああ//言っちゃった……」と言った。


 エマさん。自分で言って照れてる。可愛い・・・って見惚れてた。


 あっ…でも、このままだと負けちゃう。

 やだ、取られたくない。

 だから、私も負けたくない。


「ふ、フタもッ!!」

 思い切って声を出した。


 フタに続きミツも「負けたくない」言った。

 イチ姉さんも「イチも負けないから」と。


「そう。みなさん引かないってことね。」


 アリスさんは言った。


「じゃあ勝負よ。誰が最後幸せになるか」







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