第16話 名前も知らない女の子

 僕は通学路を歩いている。

 僕にとって、通学路は隣の姉がいるため、久しぶりに1人での登校。

 何故か先にイチは登校してしまったが1人で静かに登校するのを悪くないなと思う。

 僕は今あくびをした。いつもだったらイチが何か言ってくるが今日は何も聞こえない。


「眠いの、水くん?」

「ふへっ!」

「瑠璃さん⁈」

「る、瑠璃だけど……驚かせちゃたかな?」

 瑠璃さんはえへへと爽やかな笑みをみせる。………僕だけに。

 瑠璃さんの笑顔に僕は撃ち抜かれる。


 --・-- --・ ・-・・ ・・ ・・-・・ ・・- ・-・・ ・・-・- (訳:ありがとう神) とモールス信号を神に送った。


 ガラガラと教室のドアをあける。

 当たり前だがイチは居た。

 安心したが、恥ずかしいという気持ちが出てきた。


 ああ。気持ちがおちつかないな。


 時計の針がまわり、下校の時間になった。

 今日は部活がないののですぐに帰宅だ。


 ちらちらとイチに視線をとばすが応答はない。


 ※

 今日1日ずっとイチの事を考えていた。

 気にしすぎてると自覚したので、一旦考えるのをやめよう。

 そう決めて帰り道を歩く。


 僕はイチが好きなのだろうか───

 僕にはわからない。もし好きだとしても、僕はイチと幸せにはなれないと思う。


 ──だって、僕には○○が○○だからだ。


 はぁ。と大きいため息をつきながら。

 どんどん暗くなっていく空を見ながら歩く。


 ※


 ◀笹木一葉の心情▶


 やっばい。今日1日無視しちゃた…。

 やらかし……

 無視する気なんてなかったのに。

 なんかスイを見ると胸が痛くて。

 スイの顔をみて心配してくれてるのはわかってた。でもスイとしゃべると私が私じゃなくなりそうで……


 ごめん。本当にごめん。スイ。


 ※


 家の扉を開け、靴を脱ぐ。そして、荷物を自分の部屋に置き、洗面所に行き手を洗う。

 僕はリビングに繋がる扉を開くが、イチはいない。

 妹たちに聞くとイチは部屋で勉強をしてるという。

 イチの事なので勉強はしていないと思った。

 僕はイチの部屋の扉をノックなしで開ける。


 ガチャ


「ノックなしで入んないでよ。」

「………あ。ごめん」

「はぇ!?スイ!?」

 イチは顔を何故か真っ赤にしながら僕を追い出そうとする。

「ごめん。話がある。」

「そんなんいいから!出てって!」

 イチは僕の背中を力強く押す。

「話を聞いてくれないか?」

 僕はイチを軽く突き飛ばす。そして、運良くベットの上に倒れる。

 僕は、イチの肩を掴む。

「す、スイ。やめてよぉ。」

 イチらしくないか弱い声だった。

 ──へ?別に変なことするきないないよ!

「すまん。強く掴みすぎた、怖かったよな。」

 イチは頭に?を浮かべた。

「どうした?」

「え?………スイのエッチ!」


 パチン。


 ──何故か叩かれた……理不尽だ。


「あっ…………ごめん。勢い余って……」

「い、いや、だい、大丈夫。」

 背中をバチンと叩かれたのでヒリヒリする。

「で、話ってなに?」

「あ。ああ。急だが僕の過去の話を聞いてほしい。」

「へ?うん。聞く。」


「僕の母は僕が5歳の時に死んだ。何故死んだかと云うと交通事故らしい。

 交通事故って行っても巻き込まれたらしい。

 僕の母はとても優しかったらしい。

 僕はすべての文の最後に『らしい』ってつけただろ。

 察したか?そう。僕は母の記憶がない。

 小学校に入学する前、小1の記憶もないから当然母の記憶もない。

 僕は母がどんな人間だったか知りたかった。

 まず僕は父さんに聞いた。

 だが、とくに手がかりはなかったんだ。

 次は母方の婆ちゃんに聞いた。

 そしたら、わかったんだ。

 その交通事故は意図的なものだったと。

 どういうことかと云うと、車の事故だったらしいんだが、その加害者は人を殺すために車を走らせていたらしい。

 そして、ややこしいかもしれないが被害者だと思われていた人も加害者だった。

 要するに加害者は2人で、2人ともお遊び半分で死のうとしたらしく。

 そのぶつかった衝撃で一台の車が関係のない僕の母をひき殺した。

 僕はその話を聞いてその加害者たちを一生恨んでやると思った。

 だが、幸運なことに2人とも地獄に落ちていたんだ。ああ。死んでいた。

 そして、僕はこの朗報を聞いて1日中笑った。

 そう、中学生だった僕は簡単に言うと母が死んだショックと恨んでいた奴が死んだと云う情報でおかしくなっていたんだ。

 そんな僕に救いの手を差し伸べてくれた名前も知らない女の子がいた。

 僕はその女の子にまともな人間にならせてもらった。

 だから、僕はその女の子を忘れたくなかった。

 だけど、人生は甘くなかった。

 驚く事を言うが、

 その女の子は死んだんだ。

 それも、僕の前で。

 その女の子は産まれたときから重い病気を持っていた。

 最後に女の子は僕に

『忘れないでね。私が側に着いてるから。絶対に死なないでね。頑張って。』と。

 そして、それを僕に行って名前も知ない女の子は天国に行ったんだ。

 だから、僕は絶対に死なない。そして、忘れない。

 僕は決めたんだ。

 すべてを『頑張る』と。

 僕には女の子がついているから。」


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 読んで頂きありがとうございます。


『義姉妹』は なんだかんだで15話目、1話1000字ちょっと(この話は2000字越え)なので約15000字投稿しました。(本当のところ20000字位でした。)

 この際書きますが、私は中二なので一時期のラブコメランキング200位の時は風呂場で発狂して親に怒られたりしていました。


 そして、今年の4月で中三に進級するので、この作品の更新頻度が下がる見込みです。


 誤字脱字等ありましたらご報告ください。


 最後に☆・♡の評価をしてもらいたいです。自分の実力などがわかる方法の一つなので是非お願いしたいです。











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