第14話 イチの元カレ情報!?

「うん。イチねぇの元カレが図書委員に居るから。」

「ん?………は?」


 訳がわからず語彙力を失う。


 ──元カレ? イチに元カレ?


 失礼なことを言っていることすら自覚できない。頭がまわっていない。


 ──僕の姉に元カレが!?


「イチの元カレの名前って知ってる?」


 2人は顎に拳を持っていき考える。すると、フタが最上高城さいじょうたかぎと言った。


「最上なんだ。」


 最上とは僕とイチが通っている高校の男子生徒トップの人間だ。

 最上は図書委員と生徒会の掛け持ちという馬鹿みたいに高い地位に降臨しているため、誰も最上に逆らう人はいない。


「最上と付き合ってたのか……ひぃ。」


 最上の元カノって言うだけで怖いのに、その元カノが家族っていうのが……最怖い。


 ミツが僕に質問をした。


「スイにぃは彼女っていたの?」

「ん?あぁ。いたよ。」

「「えーーーー」」


 フタはいつもの倍以上の声でミツはいつもよりも感情を表にだした声で驚いた。


「その人とは付き合ってないの?」

「ああ。そいつは幼なじみで、僕が中学入ったくらいの時に引っ越しちゃってね」

「名前は」

凛道清佳りんどうきよかって名前だよ。」


「清佳ねえさんがどうしたの?」

「フタとミツに教えてただけ………って太陽。」


 目の前には腕にビニール袋をぶら下げている太陽が居た。


「買い出し?」

「うん。」


 太陽は僕のことを見て何かジェスチャーをする。


「んぁ~、もういい。これ持って。」

「ああ。」


 太陽が僕にビニール袋を持たせる。


 ガチャ。


 太陽は鍵を開けた。


「ごめんな、太陽。」

「うーん。許す」

「ありがと」



「おにぃそれ冷蔵庫の前まで持っていって」

「へい」

「フタは風呂洗って。」

「わかりましたッ!」

「ミツは太陽と洗濯物を中にいれて畳んで。」

「うん。わかった。」


 太陽のリーダーシップが輝く。そのおかげで家事はすぐに終わった。


 ※


 僕はゲーム機を起動し、シューティングゲームを始める。


 クウチさんというフレンドから通知が一件来た『一緒に遊びませんか?ユナカもおるよ!』と。僕は『合流します!』と応答し、そのクウチさんのパーティーに合流する。


 僕を呼んでくれたクウチさんは僕がこのゲームで始めてフレンドになった方だ。

 そして、ユナカさんはクウチさんの知り合いでこのパーティーで唯一の女性だ。そして、ユナカさんはとてもこのゲームが上手だ。


 僕はVCをONにする。


『『おひさ~』』とお二人が言ったので僕も「久しぶりです!」と言う。


『スイシィくんどう?調子は?』


 スイシィというのはこのゲームでの僕の名前だ。


「このゲームでですか?」

『ううん。学校とか?』

「学校は特に変わらず楽しく過ごしていますよ」

『んなら、よかった!』


 お二人ともとても優しい方で僕の相談をなんでも聞いてくれる。


『それで、義理の姉妹は大丈夫?』

「まぁ、なんとかですね(笑)」

『憧れるけど、大変だろうな~。』

「でも、みんなとても良い子なので…」

『よかったねぇ!』

『クウチさん。お父さん目線なの面白い~』

『歳がもうアラサーだから…』

「アラサーなんてまだ若いですよ!」

『そう?ありがと。ほらユナカ見習いな。』

『スイシィくんよりも歳上ですぅ~!ね!スイシィくん!』

「は、はい。でも歳は一歳しか変わらないですけどね…」

『むぅ~~~!スイシィくん~!』


 クウチさんユナカさんとゲームはとても楽しいし面白い。

 本当に感謝だ。

 ここまで、頑張れているのもお二人が裏から支えてくれていたおかげだ。















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る