第13話 霞静音って何者なんだ?
「今日、椎名先輩を伺った理由は──」
ごくり。と唾を飲む。
「──姫之川先輩との関係をッ!!」
──へ?
霞静音の声の多きさにも驚いたが、霞静音がなぜ、瑠璃さんとの関係を聞いてきたのかだ。
どこかにいたのかも知れない。見られてたのかも知れない。と考えるとなんか恥ずかしい。
「椎名先輩!付き合ってるんですかッ!」
──付き合ってる!?僕なんかが瑠璃さんと!?
「なにいってるんだ?てゆーか、付き合っていないし。」
僕の言葉を聞いた霞静音は『うそ!?』みたいな顔で見つめてくるが、すぐにその顔をいつもの無表情にもどってしまった。
「瑠璃さんは仲のいい友達だぞ。」
「………」
「わかった?」
「はい。わかりました。でも、来週にカラオケに行くっていうのはなんだったんですか?」
ガチャン!と大きい音が鳴った。
「来週?……、あぁ~瑠璃さんが『歌いたいけど1人で行くのは…』って言ってから。ってなんでその話シッテルノ??」
──階段で話してたはずなのに…Why?
トントンと右肩が叩かれた。右肩に視線を写すと、イチがいた。
「どうしたん?」
「えと、あの、なんの話?」
「は?」
イチが話しかけてきたのに、疑問形でなぜかかえされた。
イチが「なんでもないよー」と声を震わせながら席に戻ったので、霞静音に視線を移そうとする。
「いない。霞静音どこ行った?」
「んなぁ。時計みてみ、椎名」
西嶌が僕に言う。
──時計?……あと2分で授業が始まる。
※
霞静音の心情。
え!付き合ってないの?階段で話してるときなんて、ラブラブだったのに違ったんだ~。なんか、失礼なことしちゃったな。
あっ、笹木先輩だ。
今日も可愛い。って椎名先輩の周りって美人だらけ~!それだと、ここにいるとなんかきついな。
ツンツンと椎名先輩と仲がいい人がなんか指さしてる。
うん。うん。
時間っ!!!まずい!!
椎名先輩も笹木先輩もまた!って声に出してないから……なんて、言ってられない!
ダッシュ!!
※
学校が終わり下校していた。
イチが委員会で1人で静かな下校中、丁度中学から帰ってきたであろうフタとミツにばったり会った。
──あの2人……?
「フタとミツかな?」
フタとミツは僕に気づいたらしく、手を振って僕に向かって走ってきた。
「お疲れ、フタ・ミツ」
「はい!お疲れです!」
「お疲れさま。」
フタとミツのギャップがとても良い。
──ロリコン?いや、ロリコンじゃないし…
「あれ?イチねぇは?」
「イチは委員会だって。」
「イチ姉さんはなに委員会に入ってるんですか?」
──確か……図書委員だったと…
「図書委員だったと…」
「やっぱり!」
「やっぱり?」
フタの『やっぱり』がよくわからない。家でも本を読んでる様子など見たことがない。なんならずっと、ゲームかテレビだ。
「うん。イチねぇの元カレが図書委員に居るから。」
「ん?………は?」
訳がわからず語彙力を失う。
──元カレ? イチに元カレ?
失礼なことを言っていることすら自覚できない。頭がまわっていない。
──僕の姉に元カレが!?
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投稿が不定期ですみません。
理由は、義務教育が終わっていないため・部活があるためです。
すみません。
このような不定期にこれからもなってしまいます。
すみません。
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