第8話 side story

 イ〇ンからまぁまぁ歩いたところにある野球場についた。そして、この野球場では現在進行形で試合が行われている。


「んぅん。まだ、0対0かー」


「おにぃ。『んぅん』はきもい」


 久しぶりに太陽に嫌味を言われたが、それをうまく右から左へ聞き流す。


「自由席空いてるかな??」


「ま、まさか。見るの?試合?」


「え?見るに決まってるだろ!」


「、、、」


 太陽はなにも言わないので、階段を登り自由席のチケットがとれるかを確認する。


 結果、自由席が丁度5席空いていた。そのため、4人なんとか説得(圧)し試合を観戦することに。


 僕たちが席に座る頃にちょうど4回が終わった。


 5回はなにもなく両チームともに0だ。いまのところ、試合は世にいう投手戦になっていた。投手戦とは両チームの投手が抑えており、両チームとも点が入らないことだ。


 投手戦はピリピリした空気でおもしろいが初めての野球観戦でこの空気はつまらないだろう。なので、僕は4人をあるところに連れていった。


 あるところとは………


「サンマリン!!」


「「「「………?」」」」


 4人仲良くポカーンとしている。


 ──ロッテファンなら一度は食べたことがある球場飯!!


「もつ煮!!」


「すいにぃ…」


「どうした!ミツ」


「あれがいい。」と人差し指を自動販売機のジュースに向ける。


「おいっ!ミツ。もつ煮、奢ってやるから食べてみ!」


「……うん。」


 僕を合わせて5人分の金額を支払う。少し財布が凍ってきたが、もつ煮のいい匂いですべて消える。


 ──くんくん。うまそぉー!


 ※


 そして、冷めてはいけないので素早く席にもどる。


 やはり試合は動かぬまま5回が終わった。


 すると、隣から「おぉー」という声が聞こえた。


 その声の主はイチだった。


 具材を口に運び。味わう。


「「「「おいしい~~!」」」」


 4人とも声を合わせた。


「だろ。」


「すい兄さんありがとうございますっ!」


 フタがお礼の言葉をくれた。


 ──いいこだねぇ。


 僕は孫を見るような目をしていた。


 おいしい。おいしい。もつ煮おいしい。


 カキーン!!!


「あっ。」


 なんと、ロッテのピッチャーがホームランを打たれたのだ。相手打線を5回までわずかワンヒットで抑えていたのに。


 そして、この6回はこのホームラン1本で抑えたが、打線が働くのか……


 ……なんと、6回はだれ1人、塁に出られずに終わった。


 ──完璧に抑えられているな……。


 ラッキーセブンは、相手チームは点が入らなかった。ロッテはというと、得点圏にランナーを出したが、0点。ちゃんとロッテという感じだ。


 8回もなにもなく。


 9回の表、相手チームが3塁までランナーを進めたが、なんとか0点で抑えた。


 そして、9回の裏1対0。1点を追うビハインド。


 カキーン。


 先頭打者がヒットを放った。


 そして、代走がおくられた。その代走は、50m6秒の俊足だ。


 ──走るだろう。


 ランナーがスタート。タッチは優々セーフ。


 だが、バッターは三振に終わり、ワンアウト2塁。


 続くバッターはセカンドゴロで進塁打になったが、ツーアウト3塁。


 そして、去年20本超えのホームランを放ったバッターにまわった。


 すぐに追い込まれたが、ファウルなどで粘り、ツーボールツーストライク。


 カッキーーーーーーーーーーン!!


 打った白球はライトスタンドに吸い込まれていった。


 なんと、サヨナラホームランで試合終了。


「おっしゃーーーーー!」


 スタンドから大きな歓声と拍手が鳴り響いた。

 隣を見ると4人とも驚いたらしく、目をパッチリ開いていた。


 帰り道の電車内でも「勝ったの?」とイチが聞いてきた。


「勝ったんだよ!」


「野球っておもしろいね。」


「だろ!」


 ────────────────────


 short story を読んでくださった方へ。


 このshort storyを読んでいただきありがとうございました。


 なんと、自分の好きなチームの話を描くと、いつの間にか1000字を超えていました。いつもは、ギリギリ1000字みたいな感じです(笑)


 好きな事を描くのは、楽しかったので、時々short storyを描くかもしれません。


 1週間後には9話を描きたいと思っていますので、楽しみに待っていただければ幸いです。


 これからも、この作品をよろしくお願いします。


 鈴柳飛









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