#20

 2025年9月28日日曜日、多摩川河川敷にて



 今朝、俺はエスに連れられて『フリーダム』に足を運んだ。

 そこではひかりとのんのんが待っていてくれた。

 俺はこの一年間、ずっと心配をかけてしまったことを詫びた。

 誰も俺を責めてきたりしなかった。



 俺はやっと、この現実を受け入れられた。

 いや、まだ受け入れられてはいないけれど、認めることはできた。



 そして今さら気づいた。

 俺は、俺一人で何もかも背負っていると勘違いしていたんだって。

 あずさの死の責任をすべて一人で背負って。

 勝手にあずさの願いを俺一人で叶えようとしたりして。

 良かったことも悪かったことも、成功したことも失敗したことも、全部俺の責任にしようとしてた。

 自分で自分の首を絞めて、脳内補正して、現実から目を背けていた。

 でも思い出した。

 俺の周りには、たくさんの仲間がいるって。

 ひかりがいて、のぞみがいて、のんのんがいて、そしてエスも。

 あずさがよく言っていたのにな。


『あづさはいつも、みんなで笑っていたいって思っているんだよ』


 俺一人じゃなく、世界はみんなで創っていくものなんだ。




 夕飯を食べた後、散歩に出かけた。

 時間の針をまた進める前に。

 また、自分の道を歩き始める前に。

 最後にもう一度だけ、会っておきたかった。



 片方は丸縁。もう片方の縁は四角。レンズはひび割れてしまっている。

 俺はそんなメガネを掛けた。


「しゅんちゃん、やっほー☆彡」


 目の前には笑顔のあずさがいて。

 俺が何を言えばいいか迷っていると、彼女は――



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