第14話 弱い立場の女性たちよ、負けないで!女性たちばかりが悪いとは、言い切れない。なのに…。社会とは、残酷。「コロナ禍の、バカ…」

 「ナエさん?」

 「はい」

 「私、苦しかった…」

 その女性も、リスカ依存になりそうになって、悩んで、手首も心も傷付いて、落ち込んでいたという。コロナ禍で、仕事を失って、生活が、不安定になってしまったためだった。

 「私にまつわる弱さを、隠したかった…」

 「…」

 「でも、結婚できました…」

 「おめでとうございます!」

 「コロナ禍婚だって、友達とかには、言われます」

 しばし、間が開いた。

 「それでも、私…」

 勇気を出して、パートナーに、告白。

 「あの…。実は、私…」

 すべての事情を、告白。

 「私…。この罪を抱えながら、生きていきます」

 「そうか…」

 「ごめんなさい」

 「良いよ」

 前を向いて生きていくしか、なかった。

 「きっと、その方法でしか、罪は償えそうにないから」

 弱い立場の女性たちよ、負けないで!

 女性たちばかりが悪いとは、言い切れない。

 なのに…。

 社会とは、残酷。

 社会は、傷付く子たちに向かって、フツーに、こんなことを言ってしまうんだから。

 「どうせ、君が、望んでやったことなんだろう?」

 「こうなる運命、だったんじゃないの?」

 「受け入れるしか、ないでしょ?」

 「自己責任」

 これだと、何かに似ていない?

 就職氷河期世代を作り、派遣村を作り、そうした実態を見ながらも、何もしなかった黒歴史。

 これを、繰り返してはならない。

 弱い立場の女性たちは、何も言えなくなっている。

 特に、コロナ禍では…。

 まずは、誰かに助けを求められる、話せる場の環境を作ってあげることが、重要なのかもしれない。

 ナエのいる場所の、ように…。

 「生きて!皆、生きて!お願いだから!私が、救わなくちゃ、ならない…私がしなくっちゃ、ならない!」

 そうか…。

 こういう責任感が、新しい涙を作るんだ…。

 ナエには、ヤングケアラーと呼ばれる子たちの涙が、もっともっと、理解できてきた。

 「コロナ禍の、バカ…」


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ナエ②弱い立場の女性相談「コロナ禍のバカ」あの子は見ちゃった…の続きだよ!あんなケース、弱い立場の女の子は、どうすれば良いわけ? @maetaka @maetaka1998

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