ナエ②弱い立場の女性相談「コロナ禍のバカ」あの子は見ちゃった…の続きだよ!あんなケース、弱い立場の女の子は、どうすれば良いわけ?
第13話 心が痛くて…。手首が痛くて…。さみしくて…。「私、生きるしかないんです」後日、別の女性が、相談にやってきた。
第13話 心が痛くて…。手首が痛くて…。さみしくて…。「私、生きるしかないんです」後日、別の女性が、相談にやってきた。
苦しくなって、どうにもならなくなるまで追い詰められた、弱い立場の女性だったなら…?
リスカ。
「私…。持っていた、裁縫や裁断用のカッターナイフで、手首を切っちゃいました。苦しかった」
やっぱり、か…。
睡眠薬を口に含むことは、しなかったそうだ。
「睡眠薬を買う金が、なかったから」
それも、使わなかった理由の、1つ。
本音は…?
本音は、家族の存在だったのかな?
どうしたって、ヤングケアラーの子たちに、重なって見えていく。
「誰かを思えば思うほど、…私には、それ飲む勇気が出なかった」
リスカなんか、やりたくはなかったという。
でも、もしも、自分が見ていなかっただけで、家族の手首にその傷があったのだとしたら…。
「私にも、それをする権利があるんじゃないのかと、思っちゃった」
完全に、疲れていただろう。
「甘え、なのかな?」
いくつもの思いが、交差していた。
リスカも、1度やってしまうと、止まらなかった。涙も、止まらなかった。
「こういうのを、依存っていうのかな?」
泣いた。
「皆が、やっているんだ、弱い立場を乗り越えるためには、こうするしかないのよ。仕方が、ないのよ」
身勝手な合理化で、また、泣いた。
「これも、甘えなのかな…?」
心が痛くて…。
手首が痛くて…。
さみしくて…。
何度も、泣いちゃったという。
「私が、いけなかったんだ。SNSで、気軽に他人と関係をもとうだなんて、思っちゃったから…」
これも、コロナ禍の呪いなんだろうか?
友達大好き世代のつらさ、なんだろうか?
医師に頼るしか、なかった。心の傷は、まわりからは、わからなかった。けれど、リスカの傷は、ごまかせない…。
「複雑性のトラウマ、PTSDの発祥は免れないでしょう」
高校生活は、壊れた。
精神科への入退院を、繰り返すことになった。
「でも、私は、生きるしかないんです」
ナエには、ありがとうございますと、頭を下げた。
「私、生きていきます」
後日、別の女性が、相談にきた。
既婚女性。
「はじめまして。ナエと、いいます」
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