第20話 ゆれる、思い。ヤングケアラーは、もどかしいけれど、生きていかなくっちゃならない。コロナ禍は…。いつだって…、いや。負けないで!

 あの子と会えなくなったほうが良いと、思えたのは…。

 その子の、家族介護の悩みが減ったということになるから。

 誰かを介護しなくても、良くなった…。

 それって、怖い意味も、あるけれど…。

 ポジティブに考えれば、家族の状態が良くなり、精神病棟に通わなくて良くなったということになる。

 だから、会えなくなっても、良いんだ…。いや、会えなくなったほうが良いんだよ…。

 「もどかしいな…」

 ヤングケアラーの子の気持ちは、ゆれる。

 「あの子とは、会えなくなったほうが良い。それって、私の本心なのかな?気兼ねなく付き合えた、同年代の話し相手を失っちゃうリスクが、あるっていうのに…」

 ゆれる、ゆれる。

 「私、まだ、弱いのかな?わがままなのかな?」

 ヤングケアラーは、悩みの中。

 「私の介護負担が、減ったの?」

 「それって、絶対的に、良いことなの?」

 「もう、私は、必要とされないのかな?」

 「私の話し相手が、いなくなっちゃうのかな?」

 ヤングケアラーは、もどかしい。

 それでも、生きていかなくっちゃ、ならない。

 コロナ禍は…。

 いつだって、いや。 

でも、負けないで!


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ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!①~がんばれとも言えないけれど、負けないで!家族以上に、女性アスリートの悩みも、ケアしてあげたい!~ @maetaka @maetaka1998

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