第18話 あなたがヤングケアラーだったなら、どう思うの?ヤングケアラーは、専門家にこんなことを言われても、もどかしいだけなんじゃないの?

 ヤングケアラーの仕事も、いろいろ。

 「ハナさん?」

 「はい」

 「いろいろと聞いてくれて、ありがとう」

「それは、良かった」

 ヤングケアラーは、カウンセラーでもあるんだ。心の介護だって、おこなわなくっちゃならないんだ。

 「ハナさん?」

 「はい」

 「私、これからも、走り続けます」

 「応援、していますね」

 「はい!」

 コロナ禍を走る人は、見えない空気に、命令され続ける。

 冷たい空気の中を、手探りで、進むしかない。

 いろんな人が、つらいから。

 「お父さんの具合は、どう?良くなりましたか?」

 それからも、父親の精神病棟行きに付き添ってあげていた子と、会う機会があった。

 「ハナさん?」

 「はい」

 つらいからこそ、相談だ。

 「ハナさん?」

 「はい」

 「私…」

 「はい?」

 「私、専門家の先生に、こんなことを言われちゃいましたよ」

 こう言われたらしいんだけれど、こういう言葉って、どうなんだろう?

 あなたなら、どう感じる?

 「学校にいっても、家族のことが頭から、離れないのでしょう?それはね…。きっとあなたが、家族のことを、好きだからなんですよ。そんなあなただからこそ、社会的に、必要とされているっていうことになる気がします」

 そんなこと、言われても…。

 もどかしいだけ…?

 だって…。

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