第16話 こういうとき、ヤングケアラーは、何も言えなくなっちゃう。どうしたら、弱い立場の女性たちを、救ってあげられるんだろう?

 怪しい人を、見分けようとしたら…。

 絶対、もめるって。

「免許証を見せろ、だと?」

 「何だと?」

 「家族を、不審者扱いしようって、いうのか?」

 困った大会の運営側は、急いで、ルール作り。

 「無許可での撮影を、禁止します」

 「発見しだい、通報します」

 「悪質であると判断された場合には、撮影者の氏名などを…」

 社会は、変わった。

 「私たちを、撮らないで、ください!」

 アスリートたちは、純粋だ。

 中学生くらいの子なら、なおさら。

 トラウマに、PTSD を発症するケースだってあったんだし。

 法律の縛りは、ないまま。

 中学生の体育大会に、法律が出しゃばるというのは、やりすぎだものね。そういう意味では、部活動に、法律は似合わない。

 とはいっても、法律を作って何とかしてあげられないと、泣いちゃう子とかが、続出するだろうしなあ。

 どうする?

 純粋な大会は、どうなっていくのだろう?

 専門家も、必死だ。

 「それでは、皆さん?競技中の撮影は、盗撮には当たらないこととします!」

 そう言っても、また、反発。

 もちろん、アスリートのほうから、反発。

 「ひどすぎ」

 「わかってない」

 「傷付く女性が、増えるだけ」

 どうしたら、良いの?

 保護者たちからも、反発。

 「うちの子もそうですけれど、中学生が、どういう傷を心に負っているか、あなた方には、わからないんですか?」

 「あなた方は、本当に、アスリートを守る専門家なの?」

 「傷付く人の気持ちが、わかってない」

 専門家は、対応に、苦しくなるばかり。

 「しかし、皆さん?盗撮目的ではなかった人に注意を入れて、対応して、間違っていたら、どうなると思います?人権侵害ですよ!暴力事件にもなるでしょうし、あなたは盗撮者ですねだなんて言ってしまえば、逆上されて、通報されて、裁判沙汰にもなったりするのです。だったら…、撮影を認めるしかないでしょう!」

 「何、言ってるのよ!」

 ヤングケアラーは、何も、言えなくなっちゃう。

 いやだなあ。

 どうしたら、弱い立場の女性たちを、救ってあげられるんだろう?

 勉強家は、こんな勉強意見をぶつけてきちゃうだろうし。





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