ナエ①弱い立場の女性相談「コロナ禍のバカ!」…SNSでつながりたい自撮りは、危険!?友達と修学旅行を楽しみたいからって、あんなことしてほしくないから!
第16話 こういう家庭も、悩んでいるらしいよ?親ガチャで良い思いができそうだなんて、軽々しく言わないで!
第16話 こういう家庭も、悩んでいるらしいよ?親ガチャで良い思いができそうだなんて、軽々しく言わないで!
「ふうん…」
ナエの名前を聞いておきながら、彼女のほうは、名乗らなかった。
「失礼だなあ」
なんて、思わなかった。
「…父親は、家から、出ていきました。私が、中学生になったころです。母親、私、妹の、3人暮らしになりました。父親は、公務員で働いていました」
そう言われてしまうと、固まってしまいそうになった。
「弱い子は、複雑?親が公務員で、何が、問題だったの?ある意味、親ガチャも、上手くいっていそうな感じなのに」
家を飛び出さなければならなくなるくらいの何が、あったのだろう?
「母親も、公務員さん」
「あら、そうだったの?」
何が、あったのだろう。
「でも…」
「はい」
「公務員とはいっても、非常勤のほうの公務員。あ、ナエさん?」
「え?」
「今は、非常勤じゃなくって、有期雇用の職員っていったほうが、良いんでしたね。ごめんなさい」
「…」
「ナエさん?」
「はい…」
「母親は、ずっと、ストレスを、抱えていましたね」
「そうなんですか?」
「公務員さんも、常勤でもなければ、きついんですよ?」
「そうでしたか」
「悩んでいたら、公務員病が、出ちゃったみたい」
「え?」
「父親は、強い身分の、常勤職員でしたから」
「…」
「でも、母親は非常勤で…」
「はい」
「公務員のピラミッドとしては、自分の妻が、常勤たる自分の部下ということになってしまいました」
「ええ」
「それが、父親には、許せなかったようなんです」
「え?」
「…」
「…」
「だから、公務員病だって、いうんです」
「…」
父親は、ついに、母親に、手を上げはじめたという。
「何だよ、お前は!勤務地こそ違っても、お前、たまに、俺の役所に、くるよな?そこで俺が、どんなに恥ずかしい思いをしているか、知っているのか?」
言われても、何が何だかわからなくなっていく、母親。
父親の勤務する、役所で。
「見ろよ、君?あの女性が、やってきたぞ。出張か?弱い身分が、歩いているぜ。ひひひ」
「…」
「…」
「公務員バランスが、崩れちゃうんじゃないか?」
「…」
「…」
「あの人…。君の、奥さんなんだろう?」
「…」
ピンチ。
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