第13話 ナエ!今どき世代の小学生の、弱い心を、守ってあげたいよね。 守ってあげたい人は、たくさんいるんだから!

 今どきの子は、帰宅して、すぐにスマホをいじっちゃう。こういうのも、危機?

 「良いTV番組があったら、アップロードしてやろう。拡散してやれ。俺って、優しいなあ。これで、たくさんの人に、TV番組を見せてあげることができるぞ」

 優しく、ないよ。

 それって、犯罪。

 「スマホで、ゲームしよう」

 「SNSで、えっちな動画を見よう」

 今どき世代の小学生の、弱い心を、守ってあげたい。

 ナエ!

 守ってあげようよ。

 「宿題はしない」

 「親が帰ってくるまで、腹が減る」

 これは、困っちゃうよ。

 「誰も見ていないんだから、良いよね?」

 子どもたちの生活が、ガタガタになっちゃう。

 そこで意味をもつのが、学童保育所(放課後児童クラブ)。

 ここでなら、大人の指導員がいるから、たくさんの生活援助をしてもらえる。一応、生活パターンは、守られる。

 学童保育所によっては、炊事、洗濯、床掃除にトイレ掃除、庭の掃除、ペットの動物へのエサ作りにエサやり、家庭菜園の収穫なども小学生がおこなうので、相当、社会性がきたえられる。

 ナエは、役所からの通知を、見返した。

 「おやつの提供は、原則、中止してください…?」

 ナエも、危機!

 コロナ禍で、感染予防に気を遣うのは、わかる。

 でも…。

 親が帰宅する時間まで学童保育ですごす子が、空腹になってしまうかもしれない。

 泣いてしまう子だって、出ちゃうんだし。本当に、おやつをなくしてしまって、良い

んだろうか?

 毎日が、悩み。

 学童保育所では、コロナ禍で、子どもの感染が増えてからという理由で、1人につき1つのテーブルを使って食べることになった。

 もちろん、子ども同士の接触を防ぐため。

 こぢんまりとしたテーブルが、いくつもいくつも、配置された。学童保育所のフロアを海にたとえたのなら、小島が浮かぶ感じだ。

 まずは、手洗い、消毒。

 子どもたちは、それぞれの離島に座って、黙食。

 コロナ禍の前は、楽しかったのに。

 「ねえ」

 「何?」

 「これ、おいしいね」

 「ねー」

 そんな触れ合いが、良かったのに。




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