第10話 真面目な子だって、泣いちゃうよ。友達と一緒が好きだからこそ、援助交際の危険があるんだ!知っておこうよ!

 「親には、言えないけれど…。お母さん、給料、もらえていないんだろうなあ。働いても働いても、有期の非正規は、豊かになれない弱い立場…」

 修学旅行費を、親戚に出してもらう方法もあった。

 「でも…」

 言えるわけが、なかった。

 「親戚だって、苦しんでいるかもしれないし…」

 涙が、出た。

 「コロナ禍で苦しんでいるのは、私だけじゃあ、ないから…。たぶん、皆、きついんだから…」

 身体が、震えた。

 真面目な子。

 弱い立場の女性への風は、半端なかった。

 「良い人は、良いな。…そうだ」

 SNSは、使い勝手が多い。

 その子は、ツイッターを使った。

 「ハッシュタグ服」

 服を、売った。

 売る物が、なくなってきた。

 「…仕方が、ない」

 下着まで!

 どこかの会社員や学生たちに、彼女の服が渡っていった。

 「でも…、まだ、金が足りないかもしれない。友達と、修学旅行先でランチに誘われちゃったりして、私だけスルーするなんて、できない」

 そこで、残された方法は…。

 援助交際…。

 ここで、基本のおさらい。

 援助交際や、これから出てくるパパ活の行為は、犯罪。困ったことに、それをわかっていないのか、自信をもってしまう子がいる。

 「私、パパ活で、生活しているんだよ?偉くない?」

 どこが、偉いの?

 それ、犯罪!

 コロナ禍…。

 女性が、悪者扱いされやすい。

 好きで、知らない男に身体を預ける人なんて、いないのに!

 弱い立場の女の子は、どんな気持ち?

 問題は、社会のあり方にだってある。

 犯罪が犯罪だと意識もされないのはもちろんのこと、金に物を言わせて、平気で女性を傷付ける社会って、どう?

弱い立場の女性は、弱いまま。

 「何とかして、生きたい!だから…だから…、生きていくためには、身体を売ることもしなければならない。すっごくいやなことだけれど、それでしか生きられないのなら、やるしかないの」

 そう思わせちゃ、ダメだよ。

 ダメ!

 ヤングケアラーも生活保護とかも、人の心まで支えられるセーフティネットになれなければならない。

 弱い立場って?

 もっともっと、考えていこう。





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