第5話 自撮りって、怖いんだよ?20 22年の春からは、18歳や19歳が、20歳と同じ扱いをされちゃいます。その怖さ、わかってる?

 もう、泣いた。

 死にたくなったほど、泣いた。

 退学届けを書く自主退学の方法を、選択していた。

 名前を隠して、警察に相談。

 「…あの」

 「匿名相談ですか?」

 「これ、誰からなんですか?」

 「これ、ですか」

 「…はい」

 脅迫文のようなものが入った画面だけをプリントアウトして、警察の匿名窓口に、持っていった。

 「これだけでは、わかりませんね」

 「…」

 「君のパソコン画面、見せてくれる?」

 「ダメ!」

 「それじゃあ、わかりませんね」

 「…ダメ」

 見せられるわけが、なかった。

 ポルノサイトに、自分自身が、登場している画像なんて…。

 専門家に、ここでも名前を名乗らないで、メール相談。

 言われたことは、同じようなものだった。

 「相手のサイトを削除してほしいとのご希望、ですね。しかしそれは、本当に、時間がかかる作業です。サイトを提供するプロバイダーや、お客様が契約中の回線業者と連絡はとれても、そこから先に、進めるかは…」

 要するに、できないということ。

 もし、できたとしても…。

 何年も何年も、先になるということ。

 「他にも…」

 「まだ、あるの?」

 ナエは、耳を疑った。

 バイトで知り合った子カグナは、自身の友達についての話をしてくれた。

 「…まだ、あったんだ」

 「…友達の、話」

 友達の話だとはいうものの、本当か、わからず。

 「この、カグナっていう子…、自分自身の体験談を出すのが、怖くなっちゃったんだろうか?もしかしたら、友達のことなんだけれどといつわって、気持ちを、そらしていただけなのかもしれない…」

 聞き手に、回ってあげなくっちゃ。

 「…今度は、何かな?」

 「自撮りも、パないって」

 「自撮りも、危ないの?」

 「うん」

 未成年者は、甘すぎる。

 甘すぎるよ。

 20 22年の春からは、18歳や19歳が、20歳と同じ扱いをされる。成人年齢の引き上げっていうこと!聞いたことは、ある?

 そのトラブルも、多くなるだろう…。そのことについては、また、違うところでね…。

 やってしまったことで何が起こるのか予想ができないと、きついよ!

 気楽に、自撮りをしないほうが良いよ?






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る