ナエ①弱い立場の女性相談「コロナ禍のバカ!」…SNSでつながりたい自撮りは、危険!?友達と修学旅行を楽しみたいからって、あんなことしてほしくないから!
第3話 SNSで、わかってほしかったから…。知らない男性に、制服を脱がされて。それ以上のことは、言えなかった。
第3話 SNSで、わかってほしかったから…。知らない男性に、制服を脱がされて。それ以上のことは、言えなかった。
進路指導室の空気が、重すぎた。
「…ちょっと、良いか?」
「何ですか、先生?」
「…良いか?」
「はい」
気楽についていってしまったのが、いけなかった?
それとも…。
「これは、何だ?」
数人の先生たちから、パソコンの画面を見せられたそうだ。
「あの、これ…」
「カグナ?」
「はい…」
「これは、お前なのか?」
「…」
「違うのか?」
「…」
どうやらそれは、去年に撮られた画像、らしかった。
画像に、日付が入っていた。
「これ…」
「この画像は、何だ?」
「…」
「説明、してみなさい」
頭が、真っ白に、なってきた。
「たぶん、あれだわ。思い出せた…」
去年、SNSで、こんな気持ちを飛ばしていた。
「つまらないなあ。誰か、遊ばない?コロナで、学校は、分散。時短。今日の授業、終わっちゃったから」
飛ばすと…?
「え、早!」
秒で、10を超える返信がきたという。
「君、今、どこ?」
「どこって、駅前の…」
40代の男が、近付いてきたという。
「君、だよね?」
「え?え?」
気晴らし、時間つぶしだけのつもり、だった。甘かった…。
「何か、飲む?」
「え?」
「良いカフェ、見つけたんだぜ」
古びたアパートに、連れていかれた。
制服を、強制的に脱がされた。
それ以上のことは…。
言えなかった。
「先生、すみません」
「謝れって言っているんじゃ、ない」
「はい…」
「カグナ、君だな?思い当たることが、あるだろう?」
「…」
SNSに投稿された画像は、消えない。
半永久的に、残される。
投稿した者が誰なのかわかれば、専門家や警察によって、削除要請はかけられる。
けれど、投稿した者が誰なのかを知る手続きに、時間がかかりすぎる。
パソコン上の住所を示すIPアドレスの持ち主が判明し、追跡したとする。
「でも、遅い」
そのころには、もう、動画を投稿した犯人は逃げてしまって、別のアドレスでいけないことをしていることが、多いから。
「…君なんだろう?」
「…」
「言いなさい」
「言え!」
「…お前だよな?」
「親を、呼ぶぞ?」
「ほら、言え!」
ああ…。
この、映像っていうのは…。
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