第2話
夕飯まで充電をして、完了したら中をじっくりと見よう。
結局、リビングの引き出しには充電器っぽいものは見当たらなかったので昔使用していた子供部屋に無かっただろうか? とソラは思い立った。
ソラは2階に上がり部屋のドアへ向かい合う。部屋のドアには高校まで使用していた『ソラの部屋』というプレートが吊り下げられていた。何も変わっていない。昔のままだ。
「あそこに無いなら、確かここにあったような……。あった」
10年前の物のため壊れていないか若干心配だったが、コンセントに挿し込み本体と繋げてみるとパッと画面がついた。ちゃんと充電が始まっている。ホッとしたのと同時に悪いことをしているような感覚に襲われる。
ふと、あることに気付いた。
「……ああ、そっか。俺、お前に会うのが怖いんだ」
画面越しとはいえ、かつてケンカ別れをして一生仲直りが出来なくなってしまった親友の彼が残したメッセージを、果たして自分は受け止めきれるのだろうか?
充電が大体40%を超えた。夕飯まであと2時間と少し。
特に平和なこの時間でソラの目は少しずつまどろんできていた。明日になれば結婚に向けて色々やることがあり帰らなければならないし、その欲求に負けて眠気に身を任せ彼はそのまま眠ってしまった。
最後に見えた彼のスマートフォン画面には、“アナザーデイズ”のメンバーが写ったロック画面と52%という数字が映っていた。
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