番外編IF~もしもナディーヌが、セヴランと上手く別れられていたら~ ナディーヌ視点(8)
「お前のせいで大勢に浮気を悟られ、おまけにエリザベットに関するウソまで広まってしまったんだよ!! そのせいで俺まで白目で見られるようになって、
少しも理解できなかったからわたくしは門に近寄り、そうしてやっと理解をした。
1度目の解消は、自分の裏切りが理由だったコト――新たな婚約の際に説明していた話と、違っていたコト。世間体を失ってしまったコト。それが理由で破棄を宣言されてしまい、多額の慰謝料まで払わないといけなくなったみたい。
「そのせいで、あんなにも良き理解者だったローレアに冷たくされてしまって……っ。どうしてくれるんだっ!? この嫉妬狂いの負け犬女!!」
「っ、なんですって!? どうせそのローレアだって、貴方ではなく貴方が持つ地位とお金に興味があっただけでしょ!! 打算ばかりの人と縁を切れてよかったじゃないのよ!! むしろ感謝をしなさいよ!!」
「感謝だと!? ふざけるな!! あの噂のせいでっ、堂々と公に場に出られなくなったんだぞ!!」
「それはわたくしだって同じですわよ!! あの噂のせいでっ、二度と人前に立てなくなったんですのよ!? あの時貴方がわたくしの誘いに乗らなければっ、こんなことにはなっていかったのに!! どうしてエリザベットを捨てたのよっ!!」
「お前が近づいてきたからだろうが!! お前が心にもない甘い言葉をかけてこなかったら、騙されることはなかったんだぞ!! 今頃エリザベットと幸せに暮らせていたんだよぉぉぉぉぉ!!」
暴言に我慢できなくなって格子越しに掴みかかり、そうしたらあちらも掴みかかってきて……っ。更に滅茶苦茶なコトを言い出すから、更に怒りの炎が燃え上がる。
だから――
「人のせいにするなぁぁぁぁぁ!! わたくしを受け入れなかったら何も始まっていないのよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「人のせいにしているのはお前だぁぁぁぁぁ!! お前が来なかったら、何も起きてないんだよぉぉぉぉぉぉぉぐあ!?」
わたくしは正論を叫んで、黙らせるために頬を力任せに叩(はた)く。そうして――きゃあ!? そうしたら今度は、あっちも叩いてきた……っ!
なのでまた思い切り平手打ちをして、また返ってきたからやり返して。またまた返ってきたから、またまたまたやり返して――
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