戦争が人を人でなくす、ということ、平和な世の中では想像できないことが日常に起こっているのだということが、この御作品を拝読して理解できました。
理解できました、といっても、本当の意味での理解はきっと、ここが戦場にならない限りわからないのだと思います。
ウクライナや、世界中の争いに巻き込まれた人たちに、平穏が訪れることを祈ります。
作者からの返信
読了&コメントありがとうございます<(_ _)>
私自身、平和な日本で生まれ育っているので、本当の意味で理解できている訳ではないと思います。
ただ、亡くなった薔子おばさまの事を思い出すたびに「本当に戦争をくぐり抜けた人の抱えているものは、私には想像もつかないし理解できると思ってはいけないものだ」と言う事だけは実感しています。
その上で理解はできなくても、少しでも寄り添う事が出来れば、彼女は何十年も死に場所を求めながら生きなくても良かったのかな?という後悔がずっと残っています。
今回の戦争では当事国であるウクライナはもちろん、次の標的となるであろうポーランドをはじめとする旧東側諸国、ウクライナからの輸出が途絶えたせいで餓死者が大量に出ている中東の国々……途方もない方々が日常を破壊されました。
彼らに一日も早く安全に過ごせる日が来るよう祈ります。
二日間かけて読み終えました。
彼女達は勿論、この物語の世界だけでなく戦災に見舞われている全ての方に、安寧が訪れることを祈っています。
このような作品を拝読する機会に巡り合えたこと、そして本作を執筆された歌川さんに感謝申し上げます。
とても、心に残りました。
作者からの返信
一気に読んで下さってありがとうございました。
こちらは政治的な意図を超えて戦禍のさなかにいる人々に感情移入していただくために「架空世界」の物語としていますが、実際にはアジアでも東欧でも中東でもアフリカでも、現在進行形で戦禍のただなかにいる方々がいらっしゃるわけで。
安全なところから平和な日本しか知らない私ができることも言える事も少ないのですが、少しでも彼らに安寧が訪れるよう祈ります。
そして彼らの心の傷に適切なケアが受けられますように。
母の従姉のように、ただでさえ戦場PTSDで心を壊してようやく生還したのに、差別に遭って完全に人であることをやめてしまうのはあまりに哀しいです。
最後までおつきあいくださりありがとうございました。
一息に読み終えました。いずれも心に重くのしかかる、正視に耐えないエピソードの積み重ね。ちょうどロシアのウクライナ侵攻というタイミングで目を通したこともあり、フィクションの出来事と突き放せない質感がありました。敬服します。
第一部の「ざまあ」要素は、本作の理不尽さ、残酷さ、グロテスクさを少しでも和らげているのかなと思いました。それは作者様の意図的な演出やもしれません。一方で、この物語は救いがないこともまた救いになる、そんな可能性も感じました。
読み応えのある物語をありがとうございました。
作者からの返信
一気読みして下さった上に感想ありがとうございます。
そうですね。
戦争だから致し方ないとは言え、他者の犠牲の上に安穏とした生活を維持しながら、その踏み台にされた人々を更に蔑ろにした人々が自滅する事で、ただ理不尽なだけではない世界にしたかった気持ちもあると思います。
この物語の中では残念ながらいわゆる「ハッピーエンド」を迎える人がいません。
なぜならこの物語となる戦争体験を語ってくれた人は、せっかく戦場から生きて帰ったにもかかわらず、その後五十年以上経っても悪夢に囚われたままだったからです。
その分、懸命に生きた人々の記憶を語り継がれることが「救い」となるよう心がけました。
最後までお付き合い下さってありがとうございます。
最後まで読みました。
どんなに言葉を重ねても、私がこの作品から感じたこと、受け取ったものをここに書き記すスキルが私にはありません。本当に恥ずかしく不甲斐ない。
この作品はただの作り話ではなく、この世界のどこかで確かにあった出来事で、今も……そしてこれからも、どこかで繰り広げられてしまう出来事だということ、胸に刻まれたように思います。
作者からの返信
最後までお読みいただき、真剣に向き合ってくださってありがとうございます。
あくまでファンタジーとして描いたのは、歴史認識がどうこうという政治的な思惑を抜きに物語だけを伝えたかったからです。
おっしゃる通り、これは架空の世界の作り話ではなく、私たちの世界で過去に何度も繰り返され、今もすぐ近くの国で起きている出来事です。
残念ながら彼らが体験した地獄を平和な世界に生きる私たちは「理解する」ことはどうしてもできません。
むしろ「理解できないほどの地獄」にとらわれたままの人々を、そこから無理に引き出そうとするのではなく、寄り添って少しずつ安らぎを取り戻せるような道を探りたいと思います。
重いお話ですが最後までお付き合いいただきありがとうございました。