ロボ

3.14

ロボット

朝起きたときにそれは、もうあった。

四角い箱が2つ積み重ねられ手足が付いていて、いかにもおもちゃのロボットって感じだ。

「キュイーーン、ピコピコピコピコ」

すると突然音が鳴り出した、どうなるのか少しワクワクした、が、あれは、俺の期待をはるかに下回り、。

「〇〇様、おはようございます」

「ん、どういうことだ」

俺は、あっけにとられた。

「今日は、11月5日水曜日、あなたの誕生日です。おめでとうございます。」

そう俺の混乱をよそにロボットは、ぺちゃくちゃと喋り続けた。

そこであることに気づいた。

「ん?あれ、俺今日誕生日だっけ…?」

ベッドの上にあったスマホで確認する。

「ってあれ、今日じゃねーじゃん、明日じゃねーかよ」

ロボットが言った今日の日付は、一日ズレている。そう、明日の日付を言っているのだ。

俺は、ロボットを見つめた。

「にしてもこれは、何なのだ?」

そう言うと1階から声が聞こえてきた。

「そうそう、枕もとにあったロボット、あれお父さんが拾ってきたやつですからねー」

母の声だ。

「あーもー、何拾ってきてんだよー」

父、いやあいつは、よくゴミを拾ってくる。どっから持ってきてるか知らないがこっちとしては、大迷惑だ。

そして今回のは、壊れたロボット。

日付も一日明日にズレてるし。

俺は、そのロボットを抱えゴミ箱に放り込んだ。


そして次の日。

「〇〇様、おはようございます。今日は、11月6日木曜日です。」

なぜかあのロボットがまたあった。そして相変わらず日付がズレている。

今日が俺の誕生日だ。

俺は、仕方なくロボットを持ち上げ後ろを見た。

しかしどこにもボタンやスイッチは、なく日付の設定を変えることが出来なかった。そして電池が入っているところも分からなかった。

少し恐怖を感じた。だが見るからに古そうだし、溶接して見えなくなったりただ単純に俺が見つけれてないだけだろ。

俺は、朝の憂鬱さもありそれ以上そのロボットのことを調べようとは、しなかった。


そして次の日

「〇〇様、おはようございます。今日は、11月7日金曜日です。」

「木曜日かぁ…」

変わらずロボットは、明日の日付を言っている。

そこからとくに何か変わることもなく何日もの時が流れていった。

そしてまた昨日と同じように朝、ロボットがこう言う。

「………」

「ん?おはようは、?!」

「この何年間も一日ズレた日付とおはよう、を言っていたのに今日は、言わない?!」

「あ、…」

このとき俺は、気づいた。

電池切れだと…。

俺は、少し悲しくなったがそのままロボットを置いておくことにした。

すると、ガチャンと母が部屋に入ってきた。

「もうこんな時間よ、起きなさい。ってあれ、起きてるのね。」

そう言った瞬間、「△△様、おはよう御座います。今日は、5月7日月曜日です。」

ロボットは、そう母の名前を口にし、母に向かって言った。

「え?、どういうことだ…」

俺は、かなり動揺した。

だが今は、考えてる余裕は、ない…、俺は、急いで学校へ行く準備をした。

だが謎だ…なぜ突然俺に日付を言わなくなった。自転車を漕ぎながらそう考えた。

そう、あのロボットは、いつも明日の日付を言っていた。

明日の…、だが俺は、今日、ロボットに明日の日付を言われなかった。

「なぜだ?」

俺に明日は、ないのか?!

明日俺は、いないから「おはようございます」など言う必要がない?!

その瞬間、俺の目の前にトラックが飛び込んで来て…。

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ロボ 3.14 @3140905

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