　空間の狭間に、ファリアは放り投げられる。

　そこには、かつての相棒の姿があった。

「ファリア！」

　フィリヤが叫ぶ。

　目に涙を浮かべ、ファリアに抱きつく。

　直に、世界との縁が切れる。

　そうしてフィリヤ達は、別の世界へと送り込まれる。

　ここは世界の狭間。

　何処にでも行けて、何処にも行けない。

　迷い込んだフィリヤ達は、無作為に選ばれた世界へと放り投げられるだろう。

　そこでどうするかは彼女達次第ではあるが、きっと彼女らなら成し遂げられる。

　そう、信じた一人の戦士がいたのだから。

　フィリヤ達は、吸い込まれるようにして落ちていく。

　新しい、世界へと。

　二人が降り立ったのは、穏やかな風が吹く平原地。

　のどかで、果てしない、世界の何処か。

　彼女らには為さなければならないことがある。

　かつての仲間との誓いを果たすため、理想（アルテマ）との約束を果たすため。

　旅を続ける。

　いつか、笑って過ごせるその時まで。

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