回顧

死にたかったあの夜を回顧する

憧れてた人の眩しさに涙して

それに追いつけない自分の無力さに恨んで

そんな事ばかりしてたら自己肯定はすり減った


苦しかった

自分には何が出来るのか、なんて

そういうことばかり考えていた

だから誰かの言葉すら嘘っぱちだと思った


そんな日々の果てに言われた言葉

『嫌なら創作やめたら?』

一見するとそう言う彼女は悪者に見える

だけど彼女は間違いない本当の事を言ったんだ


人一倍真面目に向き合ってきたから

誰かに認められると思っていたから

その現実との乖離にほとほと疲れてしまった

周りにはもう誰もいなかった


それからそう長くない月日が流れた

見ることないと思ってた眩しい景色と

間違いない傑作が出来て

そうして振り返れば間違いない誰がいた


無いと思ってた「これから」があった

手にすることない夢を目指そうと思えた

そうしていつかの誰かのように走り出したら

懐かしい顔ぶれが確かに笑ってたんだ


「死にたい」夜は確かにあった

「消えてしまいたい」と思った夜もあった

「二度とこんな事やるか」と泣いた夜も

けどその記憶があるから今日の言葉がある


それが間違いない確信になったから

その先に誰もいなくたって走り続けるんだ

僕だからこそ言える言葉や物語を描く為

そうしてそんな創作と心中出来るなら本望だ

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