7話

 ピピピピピピ

 いつも朝からアラームが鳴り響く

「うるさいな、なんだ?アラームか、まだ眠い切って寝よ」

 ん?今何時だ?目を開くとそこには雛月さんがいた、なんでここにいるの?

「あっ司くん起きました?」

「なんでここに雛月さんがいるの?」

 不満そうな顔をして

「何度か連絡したんですけど反応がなかったので」

 気になったので画面を見ると雛月さんから連絡がきてた

「えっ、本当だごめん」

「いいですよ、まだ約束の時間ではないですし」

「てか、家にどうやって入ったんですか」

「結衣ちゃんに言ったら入れてくれました」

 いつの間に仲良くなったの?最近の女の子はすごいな、

「もうそんなに仲良くなったんだね」

「はい、この前来た時にRineを交換してしてたんですよ。司くんにちゃんと友達がいるか心配してましたよ」

 嬉しそうにスマホの画面を見せてきた、そうか妹よ俺のことそんなにって余計なお世話だよ、まじで!

「そんなこと言ってたんだ、」

「結衣ちゃんはちゃんと友達いるか心配なんですよ」

 結衣には心配かけてたのかな?

「そうなのかな、そうなら結衣が安心できるように頑張らないとな」

「そうです、一緒に頑張りましょう!私のできることでしたら手伝いますので」

「うん、でも当分は将星や菫と話月さんだけでいいかな」

 それにしても祭りまで何をしよう、雛月さんはやりたい事あるかな?

「雛月さん祭りまで何しますか?

「そうですね、司くんごはんまだですよね」

「今起きたばかりだし、まだだよ」

 何で聞いてきたんだろう?

「そうですか、せっかくですから私が作ります、千恵美さんからは何でも使っていいと言われましたので大丈夫です。と言うことで顔を洗ってきてください」

「う、うんわかった」

 女の子のて料理を食べられるんなら何の文句も言わず、言うことを聞こう

「素直でよろしい」

 何でこんなに雛月さんは張りきっているんだろう、何を作るのか楽しみだな。顔を洗いながらそんな事を考えていた

「雛月さん顔洗ってきたよ、何作ってるの?」

「これはですね、オムライスです。私は半熟にするけど司くんはどうする?」

「えっと、俺も半熟がいい」

 雛月さんも半熟派なんだ、完全に火を通すのもおいしけど半熟の方が俺も好きなんだよな

「わかりました半熟ですね、これは腕の見せ所ですね」

 わかりやすく張りきっている用に見える

「雛月さんって料理うまいんだね」

「そんなことないですよ、これで最後にソースをかけてできました」

「すごくおいしそうだね」

 綺麗な半熟の上にソースがかかっていてすごくおいしそうだった

「そう?ありがとう、さぁ食べましょう」

「そうだね」

 嬉しかったのか頬を少し赤らめている

「「いただきます」」

 うん、これふっくらとろとろですごく美味しい 

「司くんどうですか?」

「すごく美味しいよ、

「よかったです」

 雛月さんはこの後の予定とか考えてるんだろうか

「雛月さんこの後どうするの?」

「えっとね、お母さんに着物を着付けてもうからもうちょっとしたら一回家に帰ろうかな。それまで銀翼でもしてようよ」

「確かにちょうどいいな、よしやろう」

 少したってから時計を見ると良い感じの時間になっていた

「雛月さん時間、大丈夫?」

「本当ですね、では一旦帰ってきますね」

「現地集合でいいんだっけ?」

「はい、そうです。そっちのほうがデート感があるじゃないですか」

 と言い雛月さんは家に帰って行った。最近気になってるんだがもしかして雛月さん俺のこと好きなのかな、いやでも自意識過剰になってるだけかもしれないし、考えてもわからないし一旦保留にしておこう

「自分も前選んだ浴衣に着替えておこう」

 さすがにに初心者が一人で着るのは難しかった

「結衣、手伝って」

「いいよ、お~意外と似合ってるねそれ」

 結衣がめずらしく褒めてきた

「そうだろ、将、菫、雛月さんと買いに行ったからね、でも褒めても何も出てこないぞ」

「そんなの知ってるし、早くやるよ」

 結衣が手伝ってくれたおかげでちゃんと着ることができた

「結衣ありがとうな」

「どういたしまして、代わりに今度雛ちゃんの手料理食べたい」

「わかった聞いとくよ、でもさっき来たら良かったのに」

「それは、若いお二人の仲を邪魔しないようにと気を使ってあげたんですよ」

「お前もまだ若いだろ、別に来ても雛月さんは喜んでたと思うけど」

「過去の事を言っても無駄ですよ、お兄ちゃん」

「はいはい、わかったよ」

 やぱっり、結衣には敵わないな、それか俺が甘いのか?そんな事を考えてたらいいぐらいの時間になったので準備をして出かけた

「雛月さんはどこに居るんだろう?Rineで聞いてみるか」

「だ~れだ」

 細く柔らかい手で目を隠された、それをしてきた本人は

「どうしたの雛月さん、なんで目隠し?」

「なんとなくかな、それよりどうかな似合ってるかな?」

 浴衣姿はそれはもう可愛かった

「すごく綺麗で可愛いと思う」

「ほんと?ありがとう。司くんはかっこいいね」 

 何これめっちゃ恥ずかしいんだけど

「あ、ありがとう。なんかこれ恥ずかしいね」

「そうだすね、いきますか?」

「じゃぁ、行こう」

 祭りに来たのはいつぶりだろう雛月さんが誘ってくれなかったら来なかったかもな

「司くんまずは何を食べますか?」

「まずはリンゴ飴でも食べよう、結衣の分も買っておかないといけないし」

「リンゴ飴ですかいいですね、そうしましょう」

 リンゴ飴はどこにあるんだろう・・・えっと、あった

「雛月さんリンゴ飴有ったよ」

「どこですか」

「ほら、あそこです」

「なら行きましょう」

 嬉しそうな雛月さん列に並んでいた、一人だと並ぶのが嫌になるけど雛月さん一緒に並ぶのはなぜか楽しかった

「リンゴ飴三つください」

「まいど、合計で600円になります」

 リンゴ飴を買い雛月さんに渡した

「ありがとうございます、でも良かったんですか」

「いいよ、いつものお礼だと思って」

「はい、おいしいですね」

「そうだね、おいしいな」

 雛月さんと食べたリンゴ飴はより美味しく感じた、なんでなんだろう

 他にもいろんな所を周っていると・・・

「花火があるらしいですよ、司くん行きませんか?」

「花火かいいね、確かこっちに行くと良く見えるよ」

 そう言い、結衣が教えてくれていた隠しスポット?見たいな所にいった

「すごいですね、ここからならよく見えそうですね」

 嬉しそうにそう言っていた

「喜んでくれてよかったよ」

 ぴゆーーー、ばん、ばんと次々に花火が打ち上がっていた

「花火綺麗ですね」

「そうだな、綺麗だな」

 俺は横目で雛月さん見ながら言っていた

「スゥゥゥウ、よし」

 雛月さんが深呼吸をして何かを決心したようにこちらをむいてきた

「司くん一つ聞いてくれませんか」

「うん、いいよ」

「では、話します、私は司くんが大好きです。だから付き合って欲しいです」

 その瞬間は時間が止まったようにゆっくりだった、どうすればよかったかわからなかった

「ごめんね、まだ自分が雛月さんのことどう思っているかわからないから今は答えがでない、でも答えが出たときは自分から言うね」

 流れで付き合ってしまっても良いとは思った、でも雛月さんにはちゃんと考えてから答えがだしたいと思った

「はい、わかりました。いつまでも待っていますね」

 少し涙が溜まってたと思う

「でも一つお願いを聞いてくれますか」

「うん、自分ができることだったら」

「でしたら、一緒に帰りましょう」

「そんなこと、お願いしなくてもいいよ一緒に帰ろう」

 雛月さんと一緒に帰ることになった

 帰り道の歩道橋を上がっているとカップルの喧嘩している声が微かに聞こえた

「誰よ、あの女は・・」

「おい待てよ」

「離してよ!!」

 喧嘩していたカップルの女の子が男のほうを押したことで男の人がバランスを崩して雛月さんにあたった

「きゃっ」

 告白されたことを考えていて反応が遅れた

「雛月さん!!」

 ギリギリかばうことはできた、

「雛月さん・・・よかった」

 でもなぜか体が痛いし雛月さんが泣きながら俺の名前を呼んでいる

「司くんしっかりして、いなくならないでよ」

 少しずつ意識が遠のいていくのがわかった

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