2話

 今日は待ちに待った日曜、

 自分自身ファッションが壊滅的なので

 妹の優衣に頼ろう、

「優衣さん服選びに手伝ってください」

「なに?、デートでもいくの?」

「は?デートなわけないやろ」

 優衣が不思議そうに首を傾げている。

「じゃあ、何しに行くの?友達のいない兄さんが」

「はぁ?友達いるわ、将星や菫とか」

「まだ、菫ちゃんたちだけなの?」

 妹に真顔で言われるのはきつい。

「お兄ちゃん気づつたちゃうぞ」

「で?何しに行くの」

「ネトゲのフレンドとの初めてオフで会うんだ」

「えっ?、誰?何人?男?女?」

 びっくりした顔をしていた。

「多分、男だと思う」

「なんだ、女じゃないんだ。つまんない~」

 こいつは兄に何を期待してるのだろう

「そうだよ、で服選び手伝って」

「はいはい、わかりましたよっと」

 

『集合時間より早くきてしまったな』

「あの、司くん?」

 振り向くとそこには、三つ編みの美少女がいた

「えっ?、何で雛月さんがここに?」

 三つ編みもめっちゃかわいいな~

「あっそうか、こんにちは。」

 何でこんなに笑顔なんだ?

「えっと、なんで雛月さんがここに?」

「なんでって集合場所ここでしょ?」

 集合場所?まさか

「一応聞きますが、雛月さんってかず?」

「そうだよ」

「なんでかず?」

 何でかすみなのにかずなんだ?

「えっとね、香澄ってかずみとも読めるらしい」

「だから、かず?」

 雛月さんはかずだた。ってことは今日女の子と遊ぶってこと?

「今日雛月さんと二人?」

 頬が少し朱色になっている、気のせいだろうか?

「デートみたいだね」

「なっ、なにいってるの?」

 自分でもわかるくらい顔が真っ赤になってると思う。

「あはは、司くん顔真っ赤だ」

「雛月さんが変な事言うから、てかなんでそんなに笑ってるの?」

「だって司くんがおもしろいから」

 なにこれめっちゃ恥ずかしい

「まぁ、切り替えて前言ってた映画見にいこ」

 雛月さんが切り替えさせてくれた、やさしい

 自分ちょろくないか?

「えっと確か、《僕の恋心を君は知らない》だっけ?」

「そうそれ」

「じゃあ、いきますか?雛月さん」

「はい!」

 なにこの笑顔何でもゆるしちゃいそう

「まだ席あるかな?」

「あっこの席なら二人で座れるよ」

 ん?この席は

「えっ?雛月さんこの席って、他の席無いかな?」

「え~、でも席遠くなるよ?せっかく来たんだから一緒に見ようよ」

 やばいこれ断れないやつだ、どうしよう

 よしあきらめよう

「じゃあいこ?」

 なにこれ近くない、肩当たりそうだよ

「司くん、どうかした?」

「なんでもないよ、ほら始まるよ」

「ほんとだ、静かにしないとね」

 これ映画に集中できるかな

『全然内容が入ってこなかった』

 なんで、雛月さんは平然としてるの?

「ご飯食べない?」

「いいよ、でも食べるところあった?」

 顎に手を当ててなやんでいた

 何かいいの見つけたのかスマホの画面を向けてきた

「蕎麦屋?」

「うん、ここの蕎麦すっごくおいしそう!いこうよ」

 ここが蕎麦屋?蕎麦か確かあの子も好きだったような

「この天ぷら蕎麦ください、雛月さんは?」

「私も同じやつ」

 天ぷら蕎麦好きなのかな

「司くんは天ぷら蕎麦って好き?私は好きだよ」

「僕も好きだよ」

 地味に恥ずかしいなこれ

「やっぱり、おいしいね」

「確かに、よく調べたね」

 天ぷらと蕎麦まじでおいしい最高

「今日は楽しかったね」

「司くん じゃぁ、またゲームか学校で」


「そんで、どうだったのネトゲのフレンドは」

 ここは真実を話すべきか

「菫落ち着けって、司は嘘ついてもすぐわかるから大丈夫だ」

 くっ、なんで将星には毎回ばれるのだろう、そんなに顔に出てるのかな

「女の子だった、これで満足か」

「どうやら、嘘じゃないみたいだ」

 何でこいつらうれしそうなの?

「ねえねえ、どんな人だった?」

「まさか、雛月さんだったりして」

「え?」

「その反応はまじ?」

 えっ何でわかったの エスパーなの

 これあきらめるしかないか

「そうだよ、だから何」

「へ~、雛月さんか面白い事になりそうだな」

「面白い事?」

 菫は首を傾げていた

「まぁ、後々わかるよ」

 面白い事?何のことだろう

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