第4話

捨てられたペットボトルに雑に処理された生活用品のごみ、近くのパン屋の残り物らしきパンを貪り食う僕と同じ家出した未成年。純真無垢だった時は恐怖だった。

慣れというものは時には怖いものだ。でも、僕は慣れという人を狂わせるものに頼らないと生きていけない、そうしなければ、今頃目の前の少女のように

『ここではないどこか』へ行っていただろう、

「おい、お前ちょっと金よこせ」

「よこせって、僕お金なんて持ってないんだけど」

「なんだと、やる気か」

「うん、君には負けないけどね」

自称ヤンキーのパンチを避け、変わりに食らわせてやった。

「兄貴いいいいい」

兄貴、か

そんな感じで呼んでいた相手が自分にもいたっけ、

「じゃあまたね、兄貴さん」

過去のことを思い出したくない、今が辛くなってしまうから、

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