第2話

「見て見て、描けたよ、にいにい」

広々とした家をとび出て公園にいる大きな背中の親友に出来上がった絵を見せた。

「カリヤ、僕のことをにいにいって言ったら本当のにいにいがやきもちやいちゃうよ」

「にいにいはにいにいだもん、それより見て見て」

描いたのは、青々とした野原、そして、紫色の花々だ。

「もしかして、僕が紫色好きなの覚えててくれたのかな」

「うん、特にこのちょっと薄めの色が好きでしょこの前見せてくれた時、

僕も好きになったもん」

「おおっ、ついにライラックの魅力がわかるようになったか」

「らいらっく?」

「この紫色のことだよ」

「僕、ライラック好き」

にいにいの本当の名前はもう覚えていない、だが、誰よりも自分に大きな影響を与えた人だろう、にいにいが褒めてくれるから絵を描くのは楽しいし、夢中になれた。にいにいから貰ったものは数えきれない。いつから変わってしまったのだろうか、

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