第2話
「見て見て、描けたよ、にいにい」
広々とした家をとび出て公園にいる大きな背中の親友に出来上がった絵を見せた。
「カリヤ、僕のことをにいにいって言ったら本当のにいにいがやきもちやいちゃうよ」
「にいにいはにいにいだもん、それより見て見て」
描いたのは、青々とした野原、そして、紫色の花々だ。
「もしかして、僕が紫色好きなの覚えててくれたのかな」
「うん、特にこのちょっと薄めの色が好きでしょこの前見せてくれた時、
僕も好きになったもん」
「おおっ、ついにライラックの魅力がわかるようになったか」
「らいらっく?」
「この紫色のことだよ」
「僕、ライラック好き」
にいにいの本当の名前はもう覚えていない、だが、誰よりも自分に大きな影響を与えた人だろう、にいにいが褒めてくれるから絵を描くのは楽しいし、夢中になれた。にいにいから貰ったものは数えきれない。いつから変わってしまったのだろうか、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます