人形制作の女神とココロドリ
宙月 霙
第1話
「本当にやってしまうのか、まだ小さなこどもだぞ。それに一人でいいのではないか、同時に二人なんて」
「ええ、この子達は二人で一つだったもの、一緒にしてあげた方が幸せよ」
二人、いや、二体の人形が手から滑り落ちる。
生きた人だった時は元気に笑い合っていた少女たちも今は静かに人形らしくしている
あれだけ生き生きしていたから不安だったが、ちゃんと人形になってくれたようだ。
「成功したみたいよ」
「成長したな、人形製造」
「成長したかもしれないけど、流石に疲れたわ」
「そうか、もう帰っていいぞ」
ライラックは少し困ったように言った。
「寂しいでしょう、私がいないと」
「ああ、だが、サリーがいないと寂しい人は他にも沢山いるだろう、家に帰りなさい」
もう少し彼といたかったが、そう言われては仕方ない
「わかったわ、また明日」
「ああ、あいつらも構ってやれよ」
「沢山かまってあげてるわ、もう少しかまってあげないといけないのはあなただと思うの、ライラック」
ライラックは顔をこちらに見せた。口も目も見れば見るほどどこまでも続きそうな暗闇で染まっていた。
「いい夜を」
「サリーもな」
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