第19話 未来の桃源郷
「今日も学校に遅刻をした。これはもう家と学校の距離が離れすぎてるのが問題かも。」
『奈緒が早起きすれば良いだけよ。』
「毎日走って学校へ行ってるんだ。もうこんな生活は嫌だ。」
『奈緒がギリギリまで寝てなきゃ良いのよ。』
「毎日走ってるのに。筋肉も体力もついてきてのに何故私は学校に間に合わないんだ。」
『夜更かしするからだと思うわ。』
「ちゃん美優ぅぅぅぅ!!正論というボディブローやめて!足腰にくる!」
『怠惰な生活を見直しなさい。プーチンも奈緒も一回見改めるべきよ、己の世界を。』
「私、そんな世界規模レベルで生活崩壊してるの!?」
『メタ認知が足りないのよ、奈緒もプーチンも。』
「いや、プーチンに失礼!」
『で、己の愚かさに気づけた?』
「もう少し優しい言い方は無いのか。まぁ、いいや、悔やむべきは家の遠さよ。」
『違う、そこじゃない。』
「私は将来は子供に不自由ない生活を送って貰えるような家に住みたい。」
『安心しなさい。奈緒は結婚できないわよ。』
「出来るわーーー!!!蝋人形にしてやろうかぁぁ!!」
『どこの閣下よ。』
「まず、不動産で良い家を品定めしないとね。」
『志望する大学すら定まってもないのに。』
「家賃3万で12DLKに住む!」
『無いわよそんな家!というか賃貸なの!?』
「確かに、家を買わないと!?」
『どんな家が良いのよ。』
「理想はシンデレラ城だね。」
『寝言は撲殺されてから言って。』
「寝て言わせてよ!!!!」
『夢を見るのは自由よ。ディズニーランドそのものが一時の夢みたいなものだから。』
「おお、どうしたちゃん美優。急に遠い目をして。」
『ディズニーランドに行っても残るのは虚しさだけね。夢の国に行っても結局現実に帰ってこないといけないから。』
「だから、記憶に残すんでしょうが!というか話されてる!シンデレラ城に住みたいんや私!」
『ヤンデレ城??』
「シンデレラ城って言ってるじゃん!そのネーミングの城ならシンデレラが恐ろしく見えてきたよ。」
『あんなの億単位払わないと作れないし住めないわよ。』
「まあ、そこは大して問題ないかな。」
『何でよ……。』
「ほら、将来私は年収億単位になるから。」
『何するつもりよ。起業でもするの?』
「オンラインの通販サービスをやるつもり。」
『へえ…。どんな分野の通販をするの?』
「ファッションかなぁ。」
『ファッションは敵が大きいわよ。良いの?』
「うん、ファッションの通販サービスをするんだ。JoJoタウンって名前で。」
『はい、アウト。』
「なんでや!何がいけないんだ!」
『なんかもう、ファッションの通販サービスって聞いた時点で嫌な予感はしてたわよ。あとJoJoタウンって何よ?奇妙な物語が始まりそうよ。』
「まあそうだね。シンデレラ城は諦めよう。非現実的だったね。だから、現実的に駅近20秒に家建てれないかな。」
『駅ビルに家を買うしかないわね。』
「酔っ払い学生や社会人の声がうるさそうだね。私は酔ってる人の声が黒板引っ掻いた音より嫌いでね。」
『そんなに嫌いなの。』
「始業式で生産性の無い話をする校長よりも嫌いでね。」
『奈緒が聞いてないだけで良い話してるから校長は。』
「無難に2000万くらいで、マンションの一室とかに住みたいよね。」
『急に現実的なこと言わないでよ。さっきまでシンデレラ城に住みたいとか言ってたわよね?』
「マンションの2階とかベストかな。」
『一軒家は嫌なの?』
「一軒家は敵に攻められやすい。けど、マンションは人の目があって中々敵に攻められないじゃん。」
『何よ敵って。』
「宗教の勧誘とNHKの受信料を取りにくる人。」
『それ、一人暮らししてる人の敵じゃない?』
「まあ、先の未来だし考えるだけ無駄か!アハハハ!」
『あれ、何の話をしてたんだっけ?久々に目的見失うくらい遠くまで来ちゃったわね。』
「プーチンが嫌な奴って話してたんじゃなかったっけ?」
『違うわよ、前澤社長の年収が億単位って話をしてたはずよ。』
おしゃべり女子高生(2022年編) ノンノン @nonnonj
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