第3話 遊園地

遊園地に着いた僕たちに待ち受けていたのは、

試練の連続だった。グループラインで来たのは観覧車に乗れという指示だった。


「観覧車に乗れって言われたけど大丈夫?」


彼女は僕の顔を伺っていた。

2人きりで密室に……。

特にいやらしい事は考えてないが、

少し抵抗感が芽生えてしまうが、

罰ゲームは仕方ない。


「大丈夫だよ」


僕たちを乗せたゴンドラはゆっくりと

動き始めた。

2人きりの密室で何を話せばいいのか?

ゆっくり頂上に上がっていく

音だけが聞こえてくる。

そういえば……この前、ドラマで……。

遊園地デートのドラマでは

ゴンドラが頂上に行く瞬間に、

キスをし合っていた。

僕たちは付き合ってるんだよね?

自分は彼女の事を好きじゃ無いのに……。

欲望には勝てなかった。

気がつくと自分の唇と

彼女の唇が重なり合った。


「何で……?」


「なんとなく……」


「このまま続けよう」


「え……」


この後、何が起きたかは自分も覚えていない。

それからメリーゴーランド、お化け屋敷、

いろんなところに行くたび、

彼女のことを色々と考えしまう。

これは罰ゲームなのに……。

何でこんなに胸が熱くなるんだ?

これが恋なのか?

レストランに入り、注文を頼んだ。


「トイレに行ってくるわ」


そう言って僕は席を外した。

帰ってきた時、彼女の目の前に1人の男がいた。


「誰ですか?」


「俺はこの人をナンパしにきたの……」


「やめてください。僕の彼女に手を出さないでください」 


「君たち、付き合ってるの?それにしては距離があるけど……」


僕は何も言い返せなかった。


「俺の方が彼女にとっ幸せなんじゃない?」


「真田さんはどう思ってるの?」


「橋田君……ごめん。別れてほしい」


「え……。何で?」


「私は彼と一緒に生きていくから。

短い時間だったけどありがとう。

楽しかったよ」


彼女はそう言ってレストランから出て行った。

罰ゲームを達成しないと……

殺されるかもしれない。

どうにかして彼女を戻さないと……。

クリスマスまであと1週間を切っていた。

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