法華経 属累品
その時、釈迦牟尼仏は、法座から起立して、大いなる神通力を現して、右手で量り知れないほど無数の菩薩の頭頂部を撫でて、このように言った。
「私、釈迦牟尼仏は、幾百、幾千、幾万、幾億、幾阿僧祇もの量り知れないほど無数の劫、この得るのが難しい『阿耨多羅三藐三菩提』、『無上普遍正覚』の仏法を修習しています。
今、これをあなた達に付属させます。
あなた達は、まさに、一心に、この仏法を流布させて、広く利益を増やさせるべきである」
(釈迦牟尼仏は、)同様に、三度、諸々の菩薩の頭頂部を撫でて、このように言った。
「私、釈迦牟尼仏は、幾百、幾千、幾万、幾億、幾阿僧祇もの量り知れないほど無数の劫、この得るのが難しい『阿耨多羅三藐三菩提』、『無上普遍正覚』の仏法を修習しています。
今、これをあなた達に付属させます。
あなた達は、まさに、この仏法を受け入れて保持して、読んで、広く説いて、一切の『衆生』、『生者』が、あまねく聞いて知ることができ得るようにさせなさい。
理由は何か? (と言うと、)
如来、仏には、大いなる思いやりが有って、諸々の、物を惜しむことが無く、恐れる所無く、『衆生』、『生者』に仏の智慧、如来の智慧、『自然智慧』、『自然に得られる智慧』を与えることができる。
仏は、一切の『衆生』、『生者』に大いなる布施をしている主なのである。
あなた達は、まさに、仏法に従い、仏法を学ぶべきである。
物を惜しむことなかれ。
未来の来世で、もし善い男子や善い女の人が仏の智慧を信じることが有れば、まさに、この人の為に、この法華経を演説して、(この人が)聞いて知ることができ得るようにさせなさい。
この人に仏の智慧を得させるためである。
もし『衆生』、『生者』が(仏の智慧を)信じて受け入れないことが有れば、まさに、仏の他の深い仏法の中から『示教利喜する』、『教示して鼓舞して喜ばせる』べきである。
あなた達が、もし、このようにすることができれば、既に、諸仏の恩に報いているのである」
その時、諸々の菩薩は、釈迦牟尼仏が、このように説いたのを聞き終わって、皆、大いに喜んで、喜びが、その身に、あまねく満ちて、喜びが、ますます加わって、釈迦牟尼仏を恭しく敬って、身をかがめて、低頭して、合掌して、釈迦牟尼仏に向かって共に声を出して言った。
「釈迦牟尼仏が命じた通りに、まさに、全て、行います。
ただ、釈迦牟尼仏よ、願わくば、憂慮しないでください」
諸々の菩薩達は、同様に、三度、共に声を出して言った。
「釈迦牟尼仏が命じた通りに、まさに、全て、行います。
ただ、釈迦牟尼仏よ、願わくば、憂慮しないでください」
その時、釈迦牟尼仏は、十方から来ていた釈迦牟尼仏の分身である諸仏を各々、
「(釈迦牟尼仏の分身である)諸仏よ、安んじていた場所に従いなさい。
多宝仏の塔よ、帰還して、
釈迦牟尼仏が、このように説いた時、宝の樹の下の「獅子の座」、「仏の座」に坐禅している者達である十方の無量の釈迦牟尼仏の分身である諸仏と、多宝仏と、上行菩薩達、無限なほどの幾阿僧祇もの菩薩の大衆と、舎利弗たち声聞と、「四衆」、「出家者の男女と在家信者の男女」と、一切の世間の天人、人、阿修羅たちは、釈迦牟尼仏の所説を聞いて、皆、大いに喜んだ。
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