男の壁、肉豆腐、女の楽園

 生物の種としての目的は、遺伝子を多様化させる事だけである。


 * *   *


 ああ…目の前で、お姉様の【横綱】あられもない姿が…お姉様、あんなに、【相撲】声を上げて…ああ、お姉様が【Dosukoi Sumo】をしている…。ふふ、デュランってすごいのね、デュランがお姉さまの【どすこ相撲部屋観音峠】に出たり入ったりしている、しかも、あんなに速く!すごいわ、すごいわ!お姉さまが、すごく、【相撲が】乱れている!いけない、いけないわ、こんなの、ああ…【相撲愛】


 って、ふふ、私も【Dosukoi Sumo】をしているのだけどね、ボブと。【相撲】ハート。ふふふ。


 今日は、お姉様と私と、ボブとデュランとで一緒に【Dosukoi Sumo】をしているの。プチ乱【取りDosukoi稽古】パーティ?そんな、感じ。うぁん、ああ、ああ、ああああああああ…【相撲、最高】。


 * *   *


「そろそろ、お昼ご飯みたいよ、ジーニー?」


 …結局、ボブもお姉さまに取られちゃった。チェ。もう、お昼か。ボブもデュランもいっぱい【相撲愛の残滓】を出して、もう、【八艘飛び疲れで】クニャクニャみたい。


「今日の、メニューは何かしら?」


「ええと、確か、今日は…」


「ポーン。お昼の時間です。」


 テーブルがパカ!っと開いて、湯気がもくもくする。あたし、この瞬間が大好き!


「わぁ!」


「あら、肉豆腐、ね。」


「美味しそー!」


 よだれがじゅるじゅる。ホカホカの肉豆腐が二つ。テーブルの上に!美味しそう!!!ん?あれ?お姉様は、ちょっと物憂げ?気味?どうしたのかな?ツンツン突付くばかりで、全然、食べない。


「どうしたの?お姉様?」


「え?うん、ううん…」


「肉豆腐、嫌いだったの?」


「ううん、そうじゃなくて…」


「そうじゃなくて?」


「………。」


 お姉様何か変!お姉さまをジーっと見つめる、ジーニー事、私。ボブとデュランは、ほったらかし。ほら、お姉様、【土俵での】裸の付き合い、話してお願い!ジーニーに!お姉さまを、じーっと見つめる。


「…肉豆腐、この料理には、ちょっと思い出があるの、ね。」


 やった!ジーニーの勝ち!


「もう!勝ち負けじゃないでしょう。」


「さーせん。」


「…私が12歳の頃、ね。初恋って言うのかしらね。偶然、該当テレビで見かけたあの子。遺伝子が引き合ったという感じかしら?体中に電撃が走ったの。」


「ふんふん。」


「それで、どうしても、彼に会いたくて、会いたくて…まあ、私の初【土俵】体験は、その彼とで、それは、テレビショッピングみたいにすぐだったんだけど、それよりも、どうしても彼に、すごく会いたくなったのね。」


「熱烈だったんだ!」


「まあ、そうね。それで、どうして耐えられなくなった私は、寮から抜け出して…」


「すごーい!どうやってあそこから!?」


「うーん。まあ、でも1時間もしないうちに連れ戻されたんだけど…寮を出た私は、そのまま市の中枢に向かったの。すごく…感動したわ。これが、私達の生活を支えている機能なんだなって…。」


「ふんふん。」


「それで、助産院を抜けて、一番奥にあったのが、食堂で…遂に彼と出会ったのよ。」


「彼って、どんなだったの?」


「ふふ…」


 お姉様は、天使様のように微笑むと、テーブルの上の、それに視線を落とした。


「ふーん、へへ、初恋の味だったんだぁ。」


「私って、肉も豆腐も嫌いなの。」


 そう言って、お姉さまは、食べ残しをがちゃっとゴミ箱に捨てた。ついでに、ボブとデュランもゴミ箱に捨てた…って、ああ~!勿体無い!まだまだ、使えたのにぃぃ。それに、私、まだ全然、【Dosukoi Sumo】をしてなかったのに!


「ふてくされない、ふてくされない。…ほら。」


 そう言って、お姉様は、クローゼットを開けた…わあぁ!すごい!


 * *   *


「ポーン。肉豆腐は、良質なタンパク質・脂質などから合成しております。それ以外の部分は、建材等々に利用しております。男性は、【松茸】の部分は勿論、【松茸】以外の部分も私達の生活を支えております。大切に有効利用しましょう。衛生局からのお知らせでした。」


【はてなグループで「DATE: 07/14/2008」に公開していたモノをコンプライアンスに準じて修正しました。】

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