西に向かって【八艘飛び】せよ!

 ある時、地球人類の全員が神様の声を聞いた。


 西に向かって【八艘飛び】せよ!


 その言葉は、地球上で使われれている全ての言語で翻訳され、また、それらを統括し、超越したイメージとして伝えられた。これにより、女性と、【八艘飛び】年齢から外れた男性以外の男性全てが、使命を与えられた。


 西に向かって【相撲汗】を飛ばすのだ。


 神様は、【八艘飛び】人類全員に、何年の何月の何日の何時に【八艘飛び】をするのか事細かに話された。その時刻は、時差が考慮されており、皆、違う時刻を与えられたのだが、つまりは、使命を与えられた【八艘飛び】男性が、全世界で、同時に【八艘飛び】をする事になる。


 八年後、地球に巨大隕石が衝突する。その隕石は死神と呼ばれていた。死神が地球に訪れると…世界が死に覆われると予測されている。


 神様の計画は、こうだ。【八艘飛び】人類が一同に、西に向って【八艘飛び】する事で、その【八艘飛び】力、【相撲汗】が押し出される力を束ねる事により、地球の公転速度をはやめる。勿論、それは、微々たる力なのだが、そこで起きるズレが、八年後には、大きく広がり、死神を回避する事が出来るのだという。


 …人類は、地球という揺り籠から、まだ逃れる事は出来ない。ノアの箱舟だってない。【八艘飛び】を使って推進するしかないんだ。




 「そんな、近々、訪れるであろうカタストロフに備えて、私は日々の【どすこい独り相撲】に余念がない訳ですよ♪」


 ブックオフからの帰り道、大山田増男さんは、そう、爽やかに語った。


【はてなグループで「DATE: 05/15/2008」に公開していたモノをコンプライアンスに準じて修正しました。】

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