第2話
繰り返すことになるが、俺が
図書館に寄ってみることにした。なに、時間は余るほどある、
そこで俺は出会ったのだ、一人の侍に。
もちろん始めは目を疑った。時代錯誤な侍が図書館の片隅で本を読んでいる光景もそうだが、その場所に目を
俺も例外なくその一人だった。見て見ぬふりをする一人になるつもりだった。
けれど、そのとき館内を走り回っていた子供にぶつかり、「ごめん!」とつい大きな声を出してしまった。離れていく子供を見送って再びその一角へと視線を戻すと、侍と目がぱちりと合ったのだ。目に驚きの色が見えた。俺も同じような目をしていたに違いない。
日本人の
「視えるのか、面白い」
言葉はそれだけだった。何事もなかったように侍は元の席に戻って本を読み始めた。
それからの数か月、俺はその図書館に通い
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