第2話神と天使は下界へと。

ゼウスが監視の任へと戻ると同じくして、大天使サリエルと日本の月の神ツクヨミが、下界に降りる穴をいた。

「あ!ツクヨミ様じゃないですか!なんでここにいるのですか?」

サリエルが、不思議そうな顔でツクヨミを見ていた。なぜ、不思議そうな顔で見ているかと言うと、ツキヨミは月の神であり、とても多忙な神の一人である。日本は特に月に対する思い入れが違う為、余計に大変なのだそうだ。そんなサリエルにツクヨミは、疲れたような声で返した。

「サリエルちゃんもいたんだね…ごめん気づかなかった。」

そんな返しに、サリエルは心配そうな顔していた。

(ウッ気づかなかったって言うのは、さすがに酷いし、余計心配させちゃったなぁ)

と心の中で思いながら言葉を紡いだ。

「今日は新月だから休みを貰ったんだよ。

月が出ないのに、いる意味はないからね。しかも、部下の兎達から疲れが酷いですから休んでくださいって言われちゃったし」

そう苦笑しながら話した。その言葉を話したツクヨミに対してサリエルは顔を叩き、笑顔を作った。

「そんなに疲れてるなら今日は、最高な一日にしようよ!絶対に元気になれる日になるよう頑張るぞ!」

無理やり元気を出した声で言うサリエルに余計に申し訳ない気持ちを覚えながらも一緒に行くことを決めた。

ー最高神神殿ー

ゼウスは監視に入ってから、興味を示した。ツクヨミは、同じ位ではなく、神の下僕である天使と仲良くしているかそして本当仲良くないのかは、良く分からないがどんな風になるかを期待していた。一度全ての下界に降りる申請は、ゼウスが目を通す。サリエルとツクヨミ。死の天使と月の神。夜に明かりをもたらすものと明かりの中に夜をもたらすもの。ある種似て非なる同志がどう心をかよわすか。意図せず出会った二人だが、だからこそ興味が湧いた。そんな事をゼウスは思いながら誰にも気付かれない程、微かに笑っていた。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神々の日常 柊 十界 @ganseena50

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る