第89話 スポコンじゃないよな?

【生徒会&四大茶部専用席】


「カイカイ、ミヨミヨの動きを見たかい!? どうだ凄いだろ~っ!? みんな彼女のあんな動きなんて見た事ないだろ~っ!? でもさぁ僕は前から知っていたんだぞ~っ!! 僕の告白から逃げる彼女に追いつけたことなんて1度も無かったんだからね~!!」


「フフフ……それはあまり自慢できる事では無いが……でもそうだな。あの動きは私も驚いたよ。まさか彼女にあんな才能があったとはな……どうやら、ただの『ネガティブ残念美少女』では無かったみたいだな……」


(コソッ)「エリ君も他の生徒達同様に越智子さんの事は美少女だと思っているんだね?」


(ドキッ)「いいいや、そんな事はないさ。私が美人だと思っているのはキリたんだけだと思っているよ……」


「ウフ♡ ありがとう……でもそういうことにしておくわ」


「キリたん……」



「お前等、な〜にアタシの横でコソコソ話しているんだ!? いちゃつきたいなら向こうでやりな」


「 「なっ!?」 」


「べべべ別に私達はいちゃついてなんか……」


「そうだ。卯馬副会長の言う通りだ。私達はいちゃついてなんかいない。どこをどう見てそんな事を言うのか意味が分からん!! それよりも津田!! テーブルの上に足を乗せるのは止めろと前から言っているだろ!! クリエイティ部部長がそんなことでどうするんだ!?」


「フンッ、そんな小さい事を気にしていたら『一流の芸術家』には成れねぇんだよっ!!」(それに私がお前達の関係を何も知らないとでも思っているのか?)



「まぁまぁ2人共~こんな楽しいお祭りの日に、言い争いするのは止めようじゃないか!! それよりもさぁ海藤、何でネガティ部の助っ人になれるのは『2年生以下』って事にしたんだよぉ!? 俺だってネガティ部の助っ人に入りたかったのにさぁ……今からでも俺は助っ人で入りたい気分だぜ~!!」(海藤、お前達の関係を誰も知らないとでも思っているのか? いくら恋愛に鈍感な俺でも分かるぞ)


「フッ、だから2年生以下にしたんだよ。誰でも助っ人に入れる事にすれば必ず根津にぃ筆頭に君達3人が助っ人に入ると分かっていたからな。もし君達が助っ人に入ってしまったらネガティ部の圧勝間違い無しじゃないか。それでは『四大茶部』を賭けた『ドッジボール対決』が全然、盛り上がらなくなるし、生徒会主催競技としては、それでは困る……」


「負けた方が廃部になるような対決なのに盛り上がりを求めるなんて酷くねぇか?」


「別に私は酷いとは思ってないぞ」


「フンッ、相変わらず『クールメガネ』だねアンタは!?」


「でも、カイカイ、僕の代わりに助っ人に入ったうちの副部長『ムキムキ』は僕よりも運動神経は凄いんだぜ~っ!! きっと驚くぞ~っ!!」


「ほぉ、それは楽しみだな……」



――――――――――――――――――――


「前妻木先輩、投げますよ~っ!!」 


「舞奈ちゃんオッケー」


「ソレッ!!」


「舞奈ちゃん、ナイスパース!!」


 舞奈の奴、ボールの投げ方も綺麗だしコントロールも抜群だな。


 パシッ!!


 よーしっ!! 

 ついに前妻木先輩にボールが渡ったぞ!!

 前妻木先輩のパワーを見せつけてやる!!


「悪いけど、早めに口うるさい花持部長には消えてもらうわね……ソレッ!!」


 ビュゥンッ!!

 ギュゥー―――――ンッ!!!!


「お―――っ!! ボールが一直線に今までの誰よりも速いスピードで花持部長に向かっている!! そ、それも花持部長の顔面に向かって~!!」


「くっ……くいなっ!! あなた私の壁になりなさいっ!!」


「は、はい……」


 えっ!?


 エグゼクティ部の中で一番、エグゼクティ部っぽくない、デ……いや、少しふっくらした女子が花持部長の前に立ちはだかったぞ!?


 で、でもそれじゃあ彼女が危ないんじゃ……


「くいな、私が隠れるように立ちなさい!!」


「・・・・・」


「危ない!!」



 バッッッッコ――――――――――――――――ンッ!!!!


「ウグッ!!」


 バタン……



「うわ――――――っ!! あの子の顔面に思いっきしボールが当たり倒れてしまったぞーっ!! だ、大丈夫なのか!?」



こ、この小説……『スポコン』じゃないよな?

『ラブコメ』だよな!?

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